予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2018東工大。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2018/3/1に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:やや難

昨年比:若干易化

 

1、中学の2次方程式の解の公式、中学の円の性質、中学の三平方の定理、中学の文字式、全部中学校、目標解答時間20分。

テクニックA

記述量BC

発想力A

総合難易度AB

 もう本当、題名の通りで、計算だけのゴミカス問題です。複素平面はほぼ出てきません。何聞きてーんだっつー話っすわ。

 まあでも取れるでしょう。

 

2、ディオファントス方程式(ベズー方程式の真似、積の形、しらみ潰し)、誘導「結果の利用」、目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量BC

発想力C

総合難易度BC

 2問目以降は打って変って良問揃いです。

 (1)ですが、直接求めようとしても中々出ません。なので、上手く調整して形が近いベズー方程式での式変形の真似、及びそれへの帰着を考えます。って事で、どれか1つを残りの2つに上手く振り分けようとします。まあ力技でもいけそうな気がする、何とも微妙な値の大きさですが…

 (2)ですが、当然、結果の利用で、ベズー方程式と同じ辺々引く→積の形にして因数考察ですね。後は小さいところでしらみ潰しです。このしらみ潰しは、京大理系2014-5に似ている気がします。

 有名な定理の証明中の操作や標準問題の解法を別の場所でも応用出来るかを、ディオファントス方程式の標準的な知識を織り交ぜながら問う、非常に良い問題です。ですが発想寄りの(1)で詰まると何も出来なくなってしまう、ちょっと怖い問題でもありますね。余談ですが、東工大素因数分解表示がメインでない整数問題を出すのはかなり久し振りですね。

 これは解答が必要でしょう。

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3、解↔交点の言換、グラフ描図、特称命題(具体的に見つける)、級数(挟撃、図形量の比較と見る、粗く評価)、目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量B

発想力BC

総合難易度BC

 東工大らしいグラフの考察問題です。

 (1)は特称命題ですが、「無数に」っておまけが付いています。特称命題の証明技巧は大きく、

(イ)他の特称命題(中間値、鳩ノ巣、…)の利用。

(ロ)具体的に見つけてしまう。

に分かれますが、本問は解を交点と言い換え図示してしまう後者ですね。ただ、この解法だとe^xの分離が少し発想寄りでしょうか。そのままだと微分したくなる形にも見えますし。

 (2)は級数ですが、中身のanが明示されていない値なので、

(イ)数式化。

(ロ)図形量等の比較と見る。

が考えられますが、まあ交点と云う図形量なので後者でしょう。近くにいる有名人(奇数π/2)で粗く近似です。

 これも不等式評価等の感覚について色々問うた良い問題です。ただ、大問2同様、(1)で詰まって全滅する危険性も高いと思います。

 これも解答を載せるべき問題です。

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4、3次元求積(3次元斜軸回転、対称性)、誘導「結果の利用」、目標解答時間50分?

テクニックC

記述量D

発想力CD

総合難易度CD

 極めて重厚な3次元回転体、それも回転軸が斜軸です。

 (1)は、後の求積時の断面考察に於いて決定的な役割を果たす大切な誘導です。この断面考察の方法は、誘導無でも出来る様に要研究ですね。

 (2)は回転体なのですが、聞き方がかなり難しいですし、そして何より計算量ですよ。いやすいません、良質かつ重厚な3次元回転体なので解答は付けますが、自分は最後の積分区間が滅茶苦茶な定積分を3回計算して3回とも違う値が出てしまって、もう諦めました(汗。式自体は合っている筈なので、答を出すには本当にこれを計算する必要があるのでしょうが、いやまじ無理ですって…

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※2枚目最下段「0≦t≦8/7」は「0≦2√2t/7≦8/7」の間違いです。

※あーもう本当にすいません。最後の積分計算の右の項、中身が(t-2√2)^2ですね。これで大分計算が楽になります。多項式積分区間の端と多項式の根について調べるのは常識ですし、てかそもそもt=2√2だと断面潰れて面積0は当たり前です…

 

5、確率(漸化式、偶奇性、対称性、全事象和1)、誘導「方針の利用」、目標解答時間35分。

テクニックBC

記述量C

発想力C

総合難易度BC

 昨年に引き続き、重厚な確率漸化式です。今年は多数の文字定数が踊り狂っています。

 (1)(2)は良いでしょう。偶奇性や倍数性には常に意識を払って下さい。

 問題なのは(3)です。方針の利用と捉え、指示されていないbn,cn,dn,そして(2)に似た奴等を全て求めますが、文字の対称性に最大限の注意を払い、出来るだけ計算量を減らします。an,bn,cn,d,を解答中の様な並べ方で書くと、対称性に由来する文字の規則に気付き易いと思います。そして最後に全事象和1(an+bn+cn+dn=1の事)ですね。これが無いとan以外を消し切れません。

 重厚な式処理の中で、確率漸化式の特徴である偶奇性、対称性、全事象和1をしっかりと使いこなせるかを問う、とても良い問題です。

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 去年難化したので今年は多少穏やかになるかもとか思っていましたが、そんな事は無かったですね。取れると言えるのが1、4(1)、5(1)(2)だけですが、これだけだと4割にも満たないでしょう。合格点なら半分も取れれば十分な気がします。東工大は最近、数論をメインにパワフルな先生を集めているので、その人達がパワフルな問題を作ってしまうのでしょうか。

 とは言っても、1を除けばどれも良質なやや難の問題なので、高校数学が得意であると自称したいのなら、矢張りこのセットを時間内にしっかり解き切れる事が1つの目標になると言って良いと思います。積分計算投げたへたれが何を偉そうな事を言っているんですかね(汗

 にしても、割と色々な人から、入試って合格者平均6割辺りを目標に作るって話を聞く気がするのですが、去年のあの難易度からの今年もこんなノリって事は、去年のセットがきちんと得点率6割前後の選抜試験として機能したって事でしょうか。そうだとしたら、流石東工大生であると言わざるを得ません。