予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2018東北大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2018/3/2に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:標準

昨年比:昨年並

 

1、軌跡、通過領域、目標解答時間15分。

テクニックAB

記述量AB

発想力A

総合難易度AB

 一番簡単な通過領域です。逆像法で良いでしょう。貰いです。

 

2、確率(組合せ)、Σk、目標解答時間20分。

テクニックA

記述量AB

発想力AB

総合難易度AB

 組合せを数えて求める簡単な確率です。

 (1)は良いでしょう。p(n)はn-1回目迄全て1が必要十分です。

 (2)(3)は、直前迄n-1以下である組合せ(直前でkだとすると、(3)はkを2分する場合の数なので、k-1通り)と、2回目/3回目に何が出れば良いかを考えるだけです。確率計算でΣkを使いますね。(3)は和は2回目の時点で最低2だったり、n-1とnは出たらまずいのには一応、注意です。

 形や(1)でp(n)を計算させられた事から、破産の確率(有名問題)かと思ったのですが、そんな事はなかったです。これも貰いです。

 

3、ディオファントス方程式(mod)、二項展開、誘導「方針の利用」&実験→予想→証明 or 誘導「結果の利用」目標解答時間35分→20分。

テクニック→B

記述量BC→AB

発想力→B

総合難易度→B

 正確にはディオファントス方程式ではないですが、まあそう呼びます(笑

 (1)はまあ当たり前の超易問ですが、問題集に載っているわけではないですし、「出来なかった。」と言われたら、正直困ってしまいます。毒のある言い方ですが、こう云うのをその場で手を動かして示せない人は、数学と言うか理系と言うか頭を使うもの全てに向いていないと思います。向いていたらごめんなさい。

 (2)は普通に二項展開してmodの考察ですね。“後ろから2番目”に注目です。

 (3)が中々の大物です。まあ(1,1)は自明な解ですので、それ以外の場合ですが、(2)を方針の利用と捉え、同様にbの情報を引き出します。これで、

 9^l-8^m=1

の形に帰着し、(2,3)も得られます。これ以上は見付からなそうなので、存在しない事を証明します。再び(2)の方針の利用からl:偶数が分かりますが、これ以上同じ方針を取っても冪がどんどん大きくなるだけで八方塞なので、方針転換です。と言う事で、そもそも、

 9^l=8^m+1

の形になるのかを考えて実験してみると、lが偶数の時は,

 9^l=(10の倍数)+1

の形になり、8^mが因数5を持つ事となり矛盾です。実験し何かの倍数と予想する流れは、ここだけで今年の京大2と全く同じですが、長い議論の中で、それも自分でこの主張を考えて示さなければならないので、京大2よりも本問の方が遥かに難しいです。

 (1)(2)は絶対に取るべきです。流れは粗方書きましたが、非常に良い問題ですので、改めて解答を載せておきます。

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※何か(3)で大層な解答を書いていますが、どう考えても(2)の結果を利用し、

  (3^n+1)(3^n-1)

因数分解が模範解答ですね。河合塾の解答速報を見る迄、全く気付きませんでした(汗。普通こう解くでしょうし、極標準的な積の形にするディオファントス方程式の問題ですので、難易度は全面的に修正しておきます。「っしゃいける!」思って上記解答で突っ走ってしまいました。2冪を積の形で考察する問題は2015の大取でも出ていて、東北大、好きそうですね。

 

4、京大型三角函数総合、正弦定理、内接円、対称性(崩す)、不等式の証明&Maxmin(三角函数内積、独立2変数(1文字固定))、誘導「方針の利用」、目標解答時間50分。

テクニックCD

記述量D

発想力CD

総合難易度CD

 三角函数と平面図形を中心とした、重厚な大型問題です。αではなく2αとしてくれているところが、出題者の唯一の優しさでしょうか…

 (1)からいきなり激しいです。取り敢えず外接円内接円なので、外接円は正弦定理、内接円の方は面積を仲介する公式で対処します。非常に対称性の高い設定で、それに執着したくなりますが、対称性は、

(イ)保つ。

(ロ)崩す。

の2通りであり、本問は保とうとすると終ります。その後の式変形も三角函数の公式の取り扱いに相当に習熟していないと厳しいです。

 (2)は不等式とMaxminですが、引き続き対称性を崩し、三角函数の計算です。(3)含め、(1)が出来ていなくてもこれを利用すれば一応、どちらも解答は可能ですね。自分は(1)が途中で嫌になって、初め解いていた時は先にしました。

 (3)は(2)同様、不等式とMaxminです。これ単品だと相当に厳しいですが、(2)を方針の利用と捉え、途中の式変形を真似る事を意識しながら進めれば、何とか食らい付ける気もします。3番もそうですが、東北大の誘導は「方針の利用」が多い気がします。→確かに多いですが、3番は解説の赤字の補足の通りです。

 これは全小問、相当に厳しいですねえ。余りこの言い方はしたくはないのですが、医学科、数物トップ層以外は、捨てた方が良かったかも知れません。

 さて、テーマに有る“京大型”についてですが、これは一昔前に京大がやや難の問題として時々出していた、矢鱈と対称性が高くて三角函数の計算をさせられまくる三角形の問題(ex)2006後期4,2005文系後期3,2002-2)のまんま類題であるからです。この手の問題の対称性は原則、下の解答中同様、

 内角の総和=π

を利用して崩します(当然、崩さない場合もあるかもなので、固執は厳禁です)。ひょっとしたら、当時の受験生が東北大で出題する先生側になって、「最近、本家では見かけないし、なら俺がやったる!」とかなったのかも知れません。受験生にはいい迷惑です(笑

 興味を持たれた方、及び京大も視野に入れている受験生が若しいたら、詳しくは「入試数学の掌握」の3巻のTheme6-6をご覧下さい。しょっちゅう話題にしますが、別に回し者ではありません。まじで良い本なんです。

 これは解答を付けるべきでしょう。

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5、複素数平面の軌跡(順像法、楕円のパラメータ表示)、論理、三角函数、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力BC

総合難易度B

 (1)(2)とも極標準的な複素数平面のパラメータの問題ですが、聞き方が少し難しいかも知れません。順像法的な発想ですね。去年の4に続き、範囲や複素数の存在の考察に於いて、論理の理解が大切である事を確認させられる問題です(あちらの方が遥かに難しいですが)。

 (2)は三角函数の変形をしていくと、楕円のパラメータ表示になります。まあでも、気付かなかったとしても、パラメータ微分をしてグラフを描けば許してもらえる気がします。回しているのは初め、「面倒臭い事しやがって!」と思っていましたが、解答して納得ですね。回さないと斜めの楕円なので、今度こそ本当にパラメータ微分になってしまいます。それはそれで良い気もしますが。

 

6、求積(斜軸回転)、目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力A

総合難易度AB

 どの入試問題集にも載っている、極々平凡な斜軸回転体の求積です。好きな方法で解いて下さい。

 

 

 先ず取らねばならないのが1,2、3(1)(2)、6ですが、これでもう6割越えてそうですね。ボーダーもこの辺りでしょうか。3(1)、5(1)、6(1)の内、2つ位取れれば、ちょいちょい周りと差を付けられそうです。4はしゃあないっす。取れりゃそりゃあもう大いに差を付けられますよ。

 昨年の1,5に続き、今年も1,5が平面での存在について論理と合わせた理解を必要とする分野です。個人的には高校数学の中で、真に理解しようとすると最も難しい分野である気がするのですが、2年続いたので、今後も出題される可能性が高いと思います。ぱら読みしただけなのですが、旺文社の「分野別標準問題精講 領域・軌跡」って本が、この分野特化の本としてかなり強そうに見えました。図形と方程式後半分野特有の、「一応答えは出たけど、如何も腑に落ちないなあ。」みたいな感じを、論理を使ってかっちり説明してくれている本って印象です。自分も暇が有ればその内、読んでみたいですね。