予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2019東工大。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/3/2に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:やや難~難?

昨年比:同程度?

 

1、不等式の証明(一文字固定+微分or一文字について整理し平方完成)、誘導「結果の利用」、目標解答時間20分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 (1)は、態々必要の無いh, s, tを置いているので、こちらで処理するのだと判ります。自分は初め「どうせ平方完成だろw」と思って式を弄ったのですが一向に出来ず、仕方無いのでhについて微分して解いたのですが、解答速報を見て「うわやられた…」ってなりました。hについて整理してから平方完成ですね。まあ出来れば何でも良いです。

 (2)は当然、(1)を各面に対し使うだけです。

 これは取りたいですね。

 

2、函数方程式(微分積分学の基本定理)、痴漢、絶対値付積分の取り扱い(場合分けして外す)、全称条件の取り扱い、目標解答時間30分。

テクニックC

記述量C

発想力B

総合難易度C

 テクニック、計算量共に重厚な函数方程式です。

 取り敢えず積分区間に1/xだのfの中にxだのが居るのがうざいので、xyを置換でしょう。代わりに絶対値内にxが出てきてしまいますが、こいつは定数扱いなので場合分けして絶対値を外せます。次に「(任意の)1≦x≦2で成り立つ」と言っているのですから(全称条件)、当然具体的な値の代入です。まあ1, 2なのも良いでしょう。しかしこれでも未だ情報が足りないのと、何より積分区間にxが居るときたら、まあ微分するのも良いでしょう。微分し、x=1, 2とし、また微分し、またx=1, 2とし、ってしていれば後は出来ます。

 一見すると物凄く怖い顔をしていて、殆ど解答の道筋が見えないですが、するべき事を1つずつ丁寧にしていけば自然に解ける、実に東工大らしい問題です。決して易しくはないですが、これも取りたいですねえ。

 

3、複素平面の変換、格子点、目標解答時間25分。

テクニックAB

記述量B

発想力BC

総合難易度B

 当然、zを(3+2i)zに変換し、それさえ出来れば後は極平凡な格子点の問題なのですが、こう云う1つの事を思い付けるか如何かだけで0点か満点かになってしまう様な問題は、1年間頑張った受験生が可哀想な事になりそうで個人的に凄く嫌いです。まあでも、東工大受験生でこれを思い付かない人は居ない気もします。

 

4、空間の分割の数え上げ、漸化式の応用、難問、目標解答時間俺は知らん。

テクニック?

記述量?

発想力D★?

総合難易度D★?

 もう本当にごめんなさい。こんな偉そうにブログとかしていますけど、これは完全にギブアップです。平面を直線で分割する時からの類推から、漸化式の応用だろうってのと、(2)以降は1ずつ減った分割を具体的に構成し最大性を議論するんだろうってのは判っていましたが、兎に角(1)が手も足も出ませんでした。解答速報を見て、只々「成程…」と言うより無かったです。本当なら何日か考えなきゃですが、セミナーの準備とかもあるし、時間でごり押せそうな感じでもなかったですし…

 捨て問だと思います。万が一、時間内に解けた受験生や高校生がいたら「高校数学も出来ないくせに数学科の博士行くとかw」と思ってくれて良いです。

 

5、不等式の証明(どんどん微分、グラフの単調性)、離散変数のMaxmin(比を取る)、誘導「結果の利用」、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力B

総合難易度B

 (1)は不等式の証明ですが、まあ微分でしょう。どんどん微分していくやつですが、f''>0となるのでf'はx→∞を調べる事になります。

 (2)は離散変数ってか数列のMaxminなので:

・連続変数化して函数処理;

・差を取る;

・比を取る、

辺りですが、まあ(1)の利用を見据え比でしょう。aの値がとても良心的で、計算量は少なく済みます。

 これは取りたいですね。

 

 

 4以外は難しくないです。1,5は絶対押さえ、2も易問ではないですが数Ⅲのパターン問題なので東工大受験生なら押さえるべきでしょう。3は初手全滅の恐れが在って怖いですが、それでも東工大受験生なら取らなきゃです。4以外の平均なら去年より易しいくらいだと思います。4はもう知りません。ごめんなさい。