予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2019東北大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/3/4に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:標準

昨年比:微易化

 

1、接線(微分)、直交条件(傾きの積-1)、-1≦cos≦1、三角函数の周期性、目標解答時間15分。

テクニックAB

記述量AB

発想力AB

総合難易度AB

 答が沢山在るのだけ一瞬びびるかもですね。

 

2、対数函数(底と1との大小で場合分け)、二次不等式、目標解答時間20分。

テクニックA

記述量B

発想力A

総合難易度A

 高校2年の定期テストやってんじゃねーぞ、って話ですよね。

 

3、数列の発散証明(階差を作ってどんどん消すor有界単調列収束定理(笑))、離散全称命題(数列の不等式の証明、帰納法)、極限値(今度こそ有界単調列収束定理)、目標解答時間15分?

テクニックBC?

記述量AB?

発想力AB?

総合難易度B?

 すいません俺は高校数学で解いていないです。具体的には「有界単調列収束定理」と云う「単調増加(resp. 減少)なのに定数で上から押さえられている(resp. 下から押さえられている)数列は収束する」って内容で、時々非常に便利なので、若し受験生以下でこのブログを読んでいてくれる人がいたら是非覚えて下さい(因みに“普通には”証明出来ない定理です)。

 (1)ですが、x_nは単調なので、発散しないとすれば前述の通り収束する筈で、でも極限をxとするとx=0 or 1で明らかに矛盾です。普通に解くなら、式変形の定石の1つである階差の形(x_{n+1}-x_n)を作り、足し合してどんどん消すやつでしょう。

 (2)は不等式の証明ですが、まあ離散全称と見て帰納法でしょう。

 (3)は(2)よりいよいよ収束性が保証され、その値は(1)では不合理であると棄却された0です。普通に解こうとしたら分数型の漸化式に帰着なんですね。これは駿台の解答が解り易いと思います。

 いや本当にすいません。前に九大の後期でこれを使わないと解けない問題が出たので、今回も「うわ東北大もかよ。」って思いながら解いた後、本当にそうなのかと予備校の解答速報を見て「うわやられた…」ってなりました。高校数学で解くならそこそこ難しいと思います。

 

4、多項式の割り算、二倍角の公式、多項式恒等式、目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 もの自体は只の多項式の問題ですが、中々面白い背景が在ります。

 問題自体は良いでしょう。(1)~(4)全て、x^2を(x^2+1)-1と見て(x^2+1)は括り、まあつまりx^2を-1に置き換える感じです。

 ですがこの「x^2を-1に置き換える」ってのは、正しくi^2=-1に他なりません。つまりこれは、複素数Cを多項式論を使って構成しているのです(余りax+bが複素数ai+bに対応している)。

 まあでも、易問ですね。

 

5、定積分の等式証明(一方は普通に計算、もう一方は辺々引いて=0の証明に帰着→区間を揃える(偶函数利用)→奇函数)、積分方程式定数型、誘導「結果の利用」、目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量C

発想力BC

総合難易度BC

 (1)の右の等式が直接計算なのは良いでしょう。問題なのは左側で、取り敢えず片方に全部項を纏め=0の証明にします。当然、積分区間を合わせたいので、ここで∫_0^1の中身が偶函数である事から無理矢理(1/2)∫_{-1}^1と見て、積分の中身をくっつけます。後は(定積分)=0の証明なので、奇函数に帰着でしょう。但し本問、自然に解けるっちゃあ解けますが、有名事実であり知っている人の方が断然有利です(「微積分基礎の極意」p94参照)。まじこう云うマニアックな知識を知っているか如何かだけで大きく差が出る問題は、予備校に通えなかったり参考書を満足に買えなかったみたいな受験生が可哀想なんで、止めてあげて欲しいです。まあ只、結局は東北大が如何云う学生を欲しいかって話なんで、俺がとやかく言う事ではないですけど。

 (2)は極平凡な定数型積分方程式(∫=Aとか置くやつ)ですが、変に思わせ振りな誘導(1)を意識し過ぎて軽く沼にはまった人とかいるかもです(はまりました(汗))。(1)は最後の積分計算の時に使います。計算量が多くて結構嫌です。(1)が出来ていなくてもそれを使えば(2)単独で解けますね。この現象、特に東北大は多い気がします(去年の4とか)。

 (2)は単独でも取るとして、(1)もまあ文句は付けましたが理詰めに考えれば自然に解ける理系の標準問題ですし、押さえたいっすわな。

 

6、確率(漸化式、直接数える)、誘導「結果の利用」、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 (1)は良いでしょう。これ出来なきゃ理系じゃないです。

 (2)は漸化式ではないので、流れが変わり戸惑ったかもです。1回取り出したのが何回目だったかってので、Σ計算に帰着ですね。

 (3)は(1)(2)のお陰で只の漸化式の計算問題です。まあ計算量がちょいちょいですが。

 (3)単独なら京大のやや難とかでもいけそうですが、誘導のお陰で自然に解けます。これは貰いでしょう。

 

 

 1,2,4,6はまともな理系生なら先ず取れるので、勝負は3,5でしょう。3は多分普通に解こうとしたら難しいので、5で差が付くと思います。4完でボーダーぎりぎり、5も取れれば上々って感じでしょうか。