予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

“数学は体力だ!”

 先日の九州代数的整数論でも何名かおられたのですが、自分を見て「筋トレ始めてみようかな」と言ってくださる方が時々おられます。中々に嬉しい一方で、それが結局続かなかったり、或いは途中で怪我をしてしまったり、なんてなってしまうととても悲しいので、無理無く怪我無く健康目的の運動を続ける為のお話を、自分が知っている/考える範囲で簡単に書かせてもらおうと思います。尚、参考文献は、何年か前に本屋に数日籠って立ち読みした:

http://u0u0.net/XXXe

http://u0u0.net/uVJo

http://u0u0.net/PM3W

辺りですが、覚えていないだけでもっと色々立ち読みしましたし、どの知識がどの本からのものかを記録していないです。すいません。ただ、孰れも:

・ちゃんと科学的に根拠が有る;

・その上で、更に著者に実践/指導経験が有る;

の2点を重視して読む本を選んだ記憶が有るのと、その上でここ何年かの自分の経験則も踏まえて書くので、或る程度信用してくださって大丈夫かと思われます。因みに、自分の考え/経験則に由来する記述は「自分は~」「個人的に~」「~と思います」等、その事がはっきりと判る記述をします。

 

 

何をするか?

 健康目的で運動を始める人が先ず連想するのって、ランニングや筋トレ(腕立て腹筋とか)だと思うんですが、個人的には(最初の種目としては/単品でやるのは)余りお勧めしません。と言うのも、特に運動に慣れていない人がこういうのやると、脚や腰を痛めたりしますし、また、健康目的の場合、後者(=筋トレ)は必ずしもその目的の最適解ではないからです(所謂「有酸素運動」の方が、健康効果や身体を引き締める効果は明らかに高い)。従って、先ずはランニング以外の有酸素運動をお勧めします。例えば、自転車や水泳がお勧めです。ウォーキングも悪くはないと思うのですが、それでも矢張り自転車や水泳に比べれば、脚を痛めるリスクが在ると思います。

 これ等を或る程度継続し、物足りなさを感じたら、自分の更なる欲求に合わせ、ランニングや筋トレを始めれば良いと思います。例えば、より体力を付けたいのであれば、自転車等からランニングに移行し、また特定の身体の部位を一寸格好良くしてみたいのなら、自転車を継続しつつそれに合わせた筋トレも取り入れる、と良いと思います。どの部位にどんなトレーニングが良いかってのは、ネットで調べれば筋トレオタク達が色々と語ってくれていますが、若し自分に話を聞きたいって方がおられるなら、コメントなりツイッターなりで絡んでください。

 

 

レーニングの頻度

 先ずはランニングや筋トレ等のがっつりとしたトレーニングについて、基本的に週2回以上から効果が表れ、5回以上になると効果が無くなる(或いは寧ろ逆効果になる)と言われている様です。また、人間の筋肉は傷付いた場合、大体、修復に24~48時間は掛かる様です(筋肉痛になる事は筋肉が傷付いた事の十分条件だが必要条件ではない)。これ等を総合すると、大体、週に3~4回がベストであると結論されます。「基本的に1日間隔だけど、土日は気分が乗ったら両方やる」みたいな感じでしょうか。

 一方で、さっき勧めた自転車や、或いは軽いウォーキング程度なら、ほぼ毎日やっても良い気がします。でもこれも、週に1, 2日は休んだ方が良い気がします。例えば、休日は休むとか、週末は飲みに行くから休むとか、でしょうか。

 

 

継続する為のモチヴェイション維持

 恐らくこれから運動しようって人が最も気にする内容でしょう。色々在るとは思うのですが、自分からは5つ基本的な方法論を挙げておきます:

1. 無理の無い計画を:

 兎に角、自分に優しい無理の無い範囲の計画を立てる事です。忙しい社会人とか大学院生なら尚更です。特に昔、運動部だった方なんかは、初めから部活の頃のノリで計画を立てたりしまいがちですが、先ず間違い無く挫折すると思います。「忙しい/面倒臭い時は、取り敢えずこれだけで良い」みたいな「最低メニュー」を組むのも、個人的に中々好きです。

 

2. 結果よりも継続に注目を:

 これは真面目な人程やりがちだと思うのですが、自分への要求が段々とエスカレートしてしまう(例えば、「来月迄に〇秒縮める」とか「一昨日は〇回出来たのに」みたいなの)事にも要注意です(これは自分への戒めでもある)。

 本当、最初は「これで良いの?」みたいな水準から初め、徐々に速くしたり回数を増やしたりしていき、そしてそれも無理を感じれば直ぐに落として良いと思います。止めてしまうより、兎に角、続ける事です。得られた効果よりも継続している事に注目すべきだと思います。

 

3. 報酬効果:

 さっき週に3, 4回が良いと言いましたが、それなら例えば火木土日にする計画なら「火木土を確り頑張れば、日曜はサボっても良い」とか決めておけば、日曜以外のモチヴェが上がると思います。また、こうやってサボらず火木土でやれれば、案外日曜もサボらずにやっちゃう事が多い様に思います。

 「サボらずやれたら週末は少し豪華な外食」みたいに決めておくのも良いかもです。或いは「1ヶ月サボらずやったら○○を買う」みたいな。

 

4. サボる事も計画に入れる:

 上で述べた事にも関連しますが、サボる事も計画に入れるべきです。例えば「火木土日の内少なくとも3回」みたいな。

 

5. 習慣化:

 「帰りは駅から家迄歩く」「自転車通勤/通学」「帰りだけ自転車で遠回りする」みたいに、兎に角、日常の習慣の一部に組み込んでしまうと良いと思います。トレーニングの方も「夕食を食べる前に必ず○○する」みたいに習慣化する事を意識すると良いと思います。最初の一週間くらい頑張れば、自然と継続し易くなっていくと思います。

 

 

 

怪我(主に運動前のストレッチ)

 継続する上では、怪我をしない事も非常に重要です。対策として先ず連想されるのは、運動前のストレッチですが、よく体育の授業や部活でやる、同じ筋肉を何秒か伸ばし続けるストレッチ(「静的ストレッチ」と呼ばれる)は、実は運動前にやると寧ろ怪我をし易くなる事が知られています。この様なストレッチは、例えば風呂上がりの寝る前とかにすべきものです。運動前に有効なのは、肩を回したり足を振り上げたりする様な、一瞬だけ筋肉が伸ばされる「動的ストレッチ」と呼ばれるものです。

 また、これは徐々に運動が楽しくなってくるとやりがちだと思うのですが、身体に痛みを感じても、筋肉が落ちる事を恐れ、痛みを我慢しながらだらだらとトレーニングを続けてしまう事も在る様に思います(運動部の高校生とかやりがちですよね)。少しでも痛みとかを感じたら、思い切って二週間とか休む勇気も必要だと思います。痛くない種目に切り替えるみたいな工夫も良いと思います。

 

 

食事、プロテインについて

 食事については自分は殆ど考えた事が無いので、よく判りません。自分は基本的に暴食してばっかです。或る程度運動する習慣が有れば、多少食っても太ったりしないと思います(ビールとかは知らん)。

 一方で、筋トレとかを始めると、プロテインとか気にする人がいるかもです。これは実際、運動の前後2, 3時間の何処かで摂取していると、脂肪の燃焼効果や筋肉の増加に効果が在るみたいです。よく言われる“筋トレの直後30分はプロテイン摂取のゴールデンタイム”みたいなのは、科学的根拠は無いみたいです。因みに自分は、以前はプロテインを飲んでいたのですが、馬鹿みたいに身体がでかくなってうざいし、何より値段が高いんで、直ぐに止めてしまいました。

 

 

 以上を踏まえて、一寸した一週間のトレーニング計画例みたいなのを書いてみましょう:

・毎日片道20分の自転車/徒歩通勤。例えば「駅迄」「定期が安くなる隣の駅迄」みたいに工夫する。雨なら大人しく諦める;

・火木土日の週4回、10回×5セットの腕立て伏せ。週に1回はサボって良い(i.e., 火木土頑張れば日曜はサボれる)。疲れて嫌な日は3セットでも良い。やる前に必ず肩回しと手首回しのストレッチ。毎月、1セット当たりの回数を増やすかどうか検討;

 全然つらくないと思いますが、でもこれをちゃんと1年とか続ければ、かなり引き締まった身体になる様な気がします。

 

 

 最後に、表題は筑波大の木村先生の有名な文章(https://nc.math.tsukuba.ac.jp/column/emeritus/Kimurata/)の中のWeilの言葉を引用したものですが、これは一般には偽である事が知られています。何故なら、真であると仮定すると、自分は間違い無く人類史上最強の数学者の1人である筈ですが(Weilとか余裕)、これは明らかに矛盾であるからです。