物凄く挑発的な事を書く。「自分より圧倒的に数学が出来る存在に出会い、数学との関わりを真剣に考えざるを得なくなる」という経験は、AIによって初めてもたらされたものではない。数学科ではこれまでも、多くの人が自分には抗い様の無い程に優秀な人間と出遭い、数学を諦めたり、或いは何かを犠牲にしてでも数学に執着したりしてきた。
 だけどこれまで強者として君臨してきた数学者達にとっては、AIによって初めて、この問いが自分達自身のものになったのだろうね。

 

追:

 AIは、どんなに初等的な疑問も決して嘲笑する事無く、丁寧に教えてくれる。これを「温かみ」と言わずして何とする。現実の多くの数学強者達とは大きな違いだ。まあただ、だからこそ、これだけ数学が苦手な俺と(肉体という入れ物の有限性と感情というバグを抱えてなお)数学で優しく関わってきてくれた数学出来る人達には、改めて感謝な訳だけれど。

 課金ChatGPT先生とお喋りするの、本当に楽し過ぎる。まじ夜なのに頭がバチバチになってしまっている。学校が夏休みに入ってから、ずっとこんな調子。何でも出来るかの様な万能感と、未だ未だ何も判らないっていうワクワクがある。何も知らなかった学部生の頃みたい。本当に楽しい。

 福岡が懐かしいです。褒められるのが嬉しくて只管に演習問題を解き続けたり、良い遊具を探して友達と公園巡りをしたり、山を坂ダッシュして頂上で動けなくなったり、数学から逃げる様に夜に自転車を走らせたり、博士が取れなくて何時間も泣いたり、海に向かって「俺は数学者になるぞー」って叫んだり、山や海を見ながら自転車を延々とこいだり、10年住んだ部屋の荷物が少しずつ段ボールに詰められていったり、何もかもが、本当に涙が出そうになるくらい、懐かしくて懐かしくて仕方がないです。

 未だ未だ、夢半ばですね。俺は絶対に数学科に帰ります。数学者になって、凄い数学をしたいです。慕ってくれる学生が、将来「この先生に数学教わったんだよ!」って自慢したいと思える様な、そんな立派な数学者を目指し続ける人間でありたい。数学です、数学なんです。未だに苦手で全然何も知らないし、何なら本当に好きなのかもよく判らない。それでもやっぱ、数学を好きでいたい、諦めたくない。

 っしゃおら!負けねえぜ!

 

追:

読み返して思ったけど、俺、馬鹿青春してたんだな。何なら今だって後から思い出したらそうなのかも。

映画「容疑者Xの献身」について。

20年近く前の古い映画です。同世代の人なら大体知っていると思う一方で、若い人は殆ど知らないんじゃないかと思います。

 まあ映画はアマプラで観られるので、興味があったら是非観てみてください。簡単に言うと、

  • 数学の天才である石神という男性が、隣に住む花岡靖子という女性に恋をした。しかし、その女性は娘と一緒に、押し掛けてきたDV夫を殺害してしまう。それを庇う為に、石神はホームレスを殺害し、そのホームレスの遺体をDV夫のそれとすり替える事で、ホームレスの遺体の殺害時刻に花岡親子の完全なアリバイを作り出すという隠蔽工作を行う。しかしながら、最後は、大学時代の友人であり、普段、警察の事件解決に協力している物語全体の主人公である物理学者の湯川に、トリックを見破られてしまう。

というものです(以降、観た事ある人にしか通じない早口オタクやります)。

 

 

 という事でこの「容疑者Xの献身」という映画は、「数学しか生きる道が無かった孤高の天才が、現実の女性に恋をし、その身を挺して女性を守ろうとする」という、とても美しい物語だとは思うのですが、事象だけ見れば「天才数学者が、男とトラブルを起こした隣に越してきただけの女に人生を全振りして人殺しまでする」という、完全に非合理的なお話なんですよね。

 つまり、完全に非合理的な目的の為に、(その目的の遂行という意味のみに於いて)完全に合理的に行動する、というお話なのです。 これだけ美しい物語をこう纏めるのには些かの美的抵抗感もあるけど、それでも敢えて言うなら、これは「洗練された無駄の無い無駄な動き」と言えると思うのです。

 だからこそ、物語終盤の湯川先生の「残念だ。その素晴らしい頭脳をこんな事に使わなければならなかったとは」という台詞は、この映画全体を総括するという意味でも、とても重要なものだと思うのです。

 

 そして、この映画を総括する台詞はもう1つあって、それは同じく物語終盤に湯川先生が語った「あいつは、それほどまで深く、人を愛することが出来たんだ」ですね。

 言うに及ばぬ事ですが、この映画の主題は「愛」です。しかしながら、この映画で描かれる「愛」は、一般的に言われるそれを遥かに超えた、つまり「愛する者の為ならば、他はどうなっても構わない」というレベルのものです。通常、異性愛にしろ家族愛にしろ、愛と呼ばれるものの多くは、或る程度の相互的関係性の中に存在します。故に愛する人の為にこそ、自分も相応に真っ当でなければならない。

 一方で石神は、只の隣人という立場を貫いたまま、それどころか自身がストーカーという悪役にすらなり、つまり花岡靖子の自分への認識を度外視してまで、花岡靖子の幸福を願いました。殺したホームレス、そして自分さえも、花岡靖子の幸福の為の歯車にしようとしたのです。

 しかしながら、石神は最後の最後で、花岡靖子の中に自分という存在を残そうとしてしまった。それが、物語終盤に花岡靖子が読んだ石神からの手紙です。そして映画で描かれた通り、本当なら究極の愛の帰結として完成する筈だった物語は、最後の最後に1度だけ願ってしまった「花岡靖子の中での自分への認識」というノイズにより、崩れ去ってしまったのです。

 という事で、湯川先生の「あいつは、それほどまで深く、人を愛することが出来たんだ」という台詞は、文字通りの意味に加え「それ程までに深く人を愛せた石神ですら、最後の最後に一瞬だけ求めてしまった、見返りとすら呼べない程の僅かな願いにより、その愛を完遂する事は出来ずに終った」という結論まで加え、完成されるべきものである様に、個人的には思います。

 以上、纏めると、容疑者Xの献身は「洗練された無駄の無い無駄な動きは、最後の最後、感情という無駄によって、崩壊してしまった」というお話という見方も出来るんじゃないかな、という感想でした。

 

追:
chatgpt先生にこの感想の感想を聞いたら、次の様な議論になりました:

  • 俺は石神を理性的な存在と見做し、そこに「愛」と「見返り」という2つの感情が段階的に付加された事により、動き出し、そして崩壊した物語と捉えている。
  • でもgpt先生は「そもそも人間は感情的で非理性的な存在なので、この物語は謂わば、最初から崩壊を内包していた世界が途中まで完璧に機能してしまったが故の悲劇、という捉え方も出来る」と言ってきた。
  • つまり上記の感想は、俺という人間の主観に強く依存している:俺は、人間の本質は感情であると心から理解している。しかしながら一方で、特に(自分自身を含む、思い入れのある)数学関係者については、その本質が理性であってほしいと、愚かにも「感情的に」願っている。そして上記の感想は、後者の感情(石神の本質は理性であってほしい)ベースで紡がれたものである。

議論の中でこういう結論になったのですが、こうしてgpt先生に炙り出された``俺の感情''が本当に俺由来のものなのか、それともgpt先生に誘導されたものなのか、俺にはもう判りませんね。こういう議論に於いては、gpt先生、本当に凄いと思わされる様になりましたが、一方で、引っ張られて依存し過ぎない様に気を付けなきゃと、改めて思いました(話が逸れちゃいましたね。ごめんなさい)。

2026年東大理系

 先ず俺は1,2,3,5(1),6(1)が終り、5(2)と6(2)の途中で時間はオーバーしてしまいました。んで各問、解答時間は書いていますが、残りの部分は飯を食ったりだらだら他の作業したりしながら考えた時間が大半なので、集中してやったら書いてある時間の半分未満で行けたと思います。これは強がりではなく「この人がこんなに時間かかる問題は俺/私には無理だ」みたいに思わないでほしいから書いています(仮に4,5,6の解答時間が半分になったところで、どっちにしろ試験時間の3倍以上掛かっとる💩)。半分、言い訳ですが、今の俺はかなり入試数学の能力が落ちちゃってると思うので、今の俺を入試数学ガチ勢だとは思わん方が良いかもです(頼ってくれている方はがっかりさせてしまったなら本当にごめんなさい。恐らく今年は数学出来るので、もう少しキレは戻せると思います)。

 解き終わって冷静に解答やその思考過程を分析すると、俺が解き終らなかった4,5,6も、難易度的には:

  • 4,5は今年の京大3と同格以下、
  • 6はもう少し難しいですが、これも過去に俺が完全降伏した22の6や13の5に比べれば格下、

くらいの感じで、特に4,5は明らかな捨て問という感じではないと思います(まあ1,3,4,5と京大の準ラスボス級の問題4つに加え、更に難しい大取りが控えているって、異常事態でしかないのだけど💩)。来年以降の理科III類志望や、或いは数理志望で数学で差を付けたい層は「今年の4,5,6の内、得意そうなものから1題もぎ取れるくらいを目指す」 というのが、今後の東大数学の1つの目標になると思います。

 

1.

(1)最大値最小値(どんどん微分)。

(2)定積分込みの不等式の証明(加法定理、fgg'、面積という意味付けからの三角函数の周期性、-1\leq x\leq 1\sin,\cosを連想せよ、不等式の解法選択(特別な不等式の利用(誘導で与えられる特別な不等式、グラフの形から自分で用意する特別な不等式)))、誘導「結果の利用」。

おかざき解答時間40分。。。

・テクニックCD

・記述量BC

・発想力C

・総合難易度C

東大名物「頑張れば取らせてくれる微積の先鋒」に偽装した、重厚な解法選択を要求する恐ろしい問題です。開幕早々、瞬殺KO級の凄まじい右ストレートです。

 (1)は良いでしょう。どんどん微分するだけです。しかし、答が \sin 1-\frac{5}{6}とかいう0よりデカいのかも微妙な不安しかない値になるので、初手としては心理的安全性はかなり低いです。また(2)では、(1)の結果だけではなく、(1)の解答に対する十分な観察が必要とされ、後続の問題への接続もかなり嫌らしいです。

 問題は(2)です。このままでは誘導の使い方が全く見えません。この手の定積分の問題で詰まったら、先ずは定積分計算です。そして三角函数が含まれる定積分なら、勿論、三角函数の公式の利用も検討せねばなりません。その強い意志で以て問題を見ていると、先ずは加法定理

\sin(\cos x-x)=\sin(\cos x)\cos x-\cos(\cos x)\sin x

が見える筈です(中に\cos xがいるだけでまじで気付き難いと思う)。すると右の項の定積分は

\int_0^{2\pi}\cos(\cos x)(-\sin x)dx=[\sin(\cos x)]_0^{2\pi}=0

となります。平凡な定積分計算ですが、試験場でこういう複雑な計算の中に混ぜられると、十分、躓きポイントになり得ると思います。一方で左の項の定積分は、三角函数の周期性

\cos(\pi-x)=\cos(\pi+x)=-\cos x, \cos(2\pi-x)=\cos x

と、定積分が面積を表す事から、

\int_0^{2\pi}\sin(\cos x)\cos xdx=4\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin(\cos x)\cos xdx

となります。定積分計算時の三角函数の周期性の利用、常識っちゃあ常識ですが、ハイレベル寄りの常識です。そしてここからが(1)の利用ですが、(1)の-1\leq \theta\leq 1という仮定から、\theta=\cos xという置き換えは連想出来なければいけません(\int内の\sin(\cos x)\cos xを念頭に(1)を眺めていると、連想のハードルが少し下がる)。すると(1)の不等式は\cos(\cos x)\leq \cos\theta-\frac{\cos^3\theta}{6}+Mとなります。後はこれを定積分にぶち込んで積分計算する事で、先ず右の不等式が出ます。誘導「結果の利用」ですね。不等式の証明の定石は、パッと思い付くものでは:

  1. 荒く評価。
  2. グラフの単調性の利用。
  3. 特別な不等式の利用(相加乗、三角不等式等の他に、誘導で与えられる不等式(本問右の不等式)や、図形量の比較等から自分で用意する場合(本問左の不等式))。
  4. 適切な式変形&置換(平方完成、因数分解、-1\leq x\leq 1なら\sin,\cos、平均値の定理等)。
  5. (\text{左})-(\text{右})に対し上記変形&置換と微分等の函数処理。
  6. 図形量の比較と見る。
  7. 背理法や帰納法等の証明法の利用。

辺りでしょうか。そして書いてしまいましたが、左の不等式は、(1)の解答と、(2)の右の不等式の証明で\frac{7}{8}\piが出てきた計算過程の観察から、更に自分で特別な不等式を見出す必要があります。その意思があれば、\sin x\geq x-\frac{x^3}{6}が見抜ける筈です。以上、証明完了です。見た感じ左の不等式の方が簡単そうですが、恐らく多くの受験生にとっては、左の方が曲者であったと思われます。

 いや繰り返しになりますが、初っ端から恐ろしい問題でした。(2)は恐らく出来不出来でかなり差が付いたと思われます。因みに(2)左の不等式は、大学で習う「\sin xのマクローリン展開」というものを知っていると、若干、発想のハードルが下がりました(決して「だから大学の内容も予習しよう」等と言うつもりはないけど)。

 

 

2. 確率( (場合の数)/(場合の数)、余事象)、数えるもののすり替え(3角形の数を頂点の選び方にすり替え)、3角形の成立条件(3点が同一直線上で3角形不成立)、格子点と偶奇性。

おかざき解答時間25分。

・テクニックBC

・記述量B

・発想力BC

・総合難易度BC

確率です。解法の分かれ目は:

  1. 確率のまま行くか。
  2. (場合の数)/(場合の数)で行くか。

であり、次に:

  • 数えるものを何かにすり替えた方が良いか。

です。今回は(場合の数)/(場合の数)であり、よくある「3角形を頂点の選び方にすり替える」って流れです(ここは特に思考せずに行けたかと)。

 んで、n絡みの確率の場合(nじゃなくてもnに一般化する事あるけど):

  1. 直接数える(チャートとかの定石)。
  2. 余事象(補集合)。
  3. 漸化式。
  4. 推移確率(幾つかの操作を纏めて考える)。

であり、今回は余事象です(全て検討する!)。という事で、3角形が成立しないという事は3点が同一直線上なので、同一直線上に存在する3点の組を数え上げましょう。

 3点がy軸に平行な直線上にある時はn個の点から3つを選べば良いです。

 一方で、3点が存在する直線がy軸に平行でない時は少々観察を要し、3点は必ずx座標が順に1,2,3となるので、中点となるx座標2の点のy座標が整数になる必要があり、それにはx座標1,3の点のy座標の偶奇が一致している必要があります。整数や格子点を考えていて偶奇性に注目するのは常識っちゃあ常識ですが、発想力頼りって感じですかねえ。

 本問が本セットで1番易しいと思われますが、他の旧帝大なら普通に中堅以上の難易度だと思います。教材としては良い問題ですが、セット中最も取り易い問題が、堅実な微積とかではなく、こういう若干発想力寄りの確率なのは、中々にしんどいですね。

 

 

3. 

(1)軌跡(逆に解く)、座標の観察。

(2)通過領域(``逆像法''(連立方程式の処理(文字の消し方や同値性に細心の注意が必要)、2次方程式の判別式の議論に帰着、微妙な境界の条件に注意))、誘導「結果の利用」。

おかざき解答時間50分。。。

・テクニックC

・記述量C

・発想力CD

・総合難易度C

(1)が極めて強力な誘導となっています。

 (1)ですが、先ずは重心のz座標に寄与するのがRだけであり、この事からRのz座標が3であると判ります。ここからRが平面z=3のz軸中心半径4の円周上と判り、(X, Y,3) \ (X^2+Y^2=4^2)と座標設定出来ます。同様にP,Qについても座標設定したくなりますが、そうすると文字が膨れて計算が爆発します(しました)。ここで一考察ですが、xy平面の円x^2+y^2=5^2の内部の任意の点は、x^2+y^2=5^2上の2点P,Qを上手く選ぶ事で、線分PQの中点として実現されます(中点として実現したい点をMとして、Mを通りOMに垂直な直線とx^2+y^2=5^2の交点を考えれば良い(☆))。従って、文字で置くのはP,Qではなく、\text{M}=(x,y,0)の方にすれば良いです。するとPQRの重心は(\frac{X+2x}{3}, \frac{Y+2y}{3}, 1)となり、これが(2,0,1)と一致するので、後はX,Yについて解いてX^2+Y^2=4にぶち込めば良く、(x-3)^2+y^2=4となります。この内、(5,0,0)以外は、x^2+y^2=5^2内にあります。

 (2)ですが、(1)の結果及び解答中の(☆)から、求めるのは「Mが(x-3)^2+y^2=4 (除く(5,0))を動く時、Mを通りOMと垂直な直線の通過領域(とx^2+y^2\leq5の共通部分)」と判ります。という事で、次の領域を求めりゃOKです:

\left\{ (x,y) \,\middle|\, \begin{cases} (X-3)^2+Y^2=4 \\ Y(y-Y)+X(x-X)=0 \\ X\neq5 \end{cases} \text{を満たす} (X,Y) \text{が存在する.} \right\}

条件の連立を解いていきます(一旦、 X\neq5は放置)。辺々足すとX^2,Y^2を同時に消せる事に注目し、どうするのが計算量が減りそうか十分に考えながら、更にY消去を目指すと:

 \begin{cases} (X-3)^2+Y^2=4 \\ Y(y-Y)+X(x-X)=0 \end{cases} 

 \Longleftrightarrow \begin{cases} X^2-6X+5+Y^2=0 \\ Yy-Y^2+Xx-X^2=0 \end{cases}  

 \Longleftrightarrow \begin{cases} Yy+Xx-6X+5=0 \\ Yy-Y^2+Xx-X^2=0 \end{cases}

 \Longleftrightarrow \begin{cases} Yy=-(x-6)X-5 \\ -Yy+Y^2-Xx+X^2=0 \end{cases}  (★)

さて、ここからYを消す為には、どう足掻こうとyが0か否かで場合分けが必要になります。しかしながら、y=0の場合が全て通過領域に含まれるのは明らかなので、y\neq0と仮定し:

(★)

 \Longleftrightarrow \begin{cases} Yy=-(x-6)X-5 \\ -Yyy^2+(Yy)^2-Xxy^2+X^2y^2=0 \end{cases}

 \Longleftrightarrow \begin{cases} Yy=-(x-6)X-5 \\ ( (x-6)X+5)y^2+( (x-6)+5)^2-Xxy^2+X^2y^2=0 \end{cases}

ここで、下の式から定まった1\leq X\leq 5なるXに対して、上の式からYが得られるので、下の式が実数解を持つ事条件だけ考えれば十分です(同値変形してきた最初の式から 1\leq X\leq 5が出るので、下の式から得られるXも自動的にこの条件を満たす)。

 ( (x-6)X+5)y^2+( (x-6)+5)^2-Xxy^2+X^2y^2=0 

 \Longleftrightarrow ( (x-6)^2+y^2)X^2+2(5(x-6)-3y^2)X+5y^2+25=0

よって

 \frac{(\text{判別式})}{4}\geq0 

 \Longleftrightarrow (5(x-6)-3y^2)^2-( (x-6)^2+y^2)(5y^2+25)\geq0

 \Longleftrightarrow \frac{(x-3)^2}{4}-\frac{y^2}{5}\leq1

但し、最後の「 \Longleftrightarrow」では、微妙に y=0か否かで場合分けして両辺を y^2で割ってとかしている。っつー事で、後はこれと(1)の領域で共通部分を取れば終りです( X=5の場合は別途処理が必要なのお忘れなく。地味に大変で、判別式を考えたXの2次方程式に X=5を代入すると x=5が得られるので、答の領域からは(5,0)だけ除く事になります)。

 これもかなりの難易度です。強力なヒントである(1)も、これ自体もそこそこ細かな座標に関する考察が必要です。(2)は、通過領域をどう処理するかの解法選択の時点で既に中々に迷いますし(2次方程式に帰着だが、めっちゃ中々に迷う)、その後の連立の処理も、消す文字の選択やカタマリと見做す部分の選択、そして同値性への注意等、かなり難しいです。

 

 

4.

(1)図形の解法選択(素朴に絵で考え考察すべき場合を絞る)、3次函数のグラフの対称性、成す角(tanの加法定理)、接線(接点から立式(接点T))、条件を満たす文字定数の範囲(パラメータの存在条件に帰着(逆像法))。

(2)正3角形の面積比は辺の比だけ見ればOK、どの線分(交点)が簡単に計算出来るか、文字計算の工夫(s,tと置いて先に進め)。

おかざき解答時間160分。。。

・テクニックC

・記述量C

・発想力CD

・総合難易度C

堅実な微積に見せかけて、かなり癖がある問題です。(1)では素朴かつ慎重な図形的観察を要求し、一方で(2)では打って変わって馬鹿ダル文字計算を要求してきます。

 (1)ですが、成す角の問題なので、tanの加法定理なのは良いでしょう(勿論、内積の利用とかもあり得るけど、そもそも交点を求めるのも大変です)。ですが単に「なす角は全て \frac{\pi}{3}」というのから \tan=\pm\sqrt3としてしまうと、場合分けで計算が爆発します(しました)。ここは3次函数のグラフの形の対称性と、「これ以上は角度が大きくなれない」みたいな考察から、考えないといけない場合を徹底的に絞っていきます:

  1. 先ず原点に最も近い1本目の接線の接点をPとします。Pは x>0のところにあるとして、一般性を失いません。Pを (s, s^3-ks)とします。
  2. 1の接線と原点を通る接線の交点をMとします。
  3.  k\leq 0とします。すると \angle\mathrm{OMP}=120\text{°}にしかなれないです(☆、絵から説明出来る)。3本目の接線の接点は3次函数の対称性から x>sのところにも存在しますが、これは☆と同様の考察から存在し得ないと判ります。つまり k>0です。
  4.  k>0の条件下、今度は \angle\mathrm{OMP}=60\text{°}とします。k>0からくる3次函数のグラフの形から、 sは3次函数のグラフの極小値を与える点のx座標より大きいです。3同様、3次函数の対称性から x>sのところを接線とする接線が存在しますが、この接線の傾きはPの接線のそれよりも大きく、従ってOでの接線と成す角が60\text{°}にはなれません。従って、 \angle\mathrm{OMP}=120\text{°}です。
  5. 再度、3次函数のグラフの形の対称性から、3本目の接線の接点は (t, t^3-kt), (-t,-t^3+kt) ( t>s)となり、これで全ての接線の成す角も完全に決定されます。

以上の考察で以て、tanの加法定理を用いる際の場合分けの発生を完全に防げます。 x=0,sの接線の条件と x=0,tの接線の条件から、 x=s,tの接線の成す角は自動的に \frac{\pi}{3}となるので、前2つの条件だけ式にすれば良く、

 \frac{3s^2}{1+(3s^2-k)(-k)}=\sqrt3 \Longleftrightarrow (3k+\sqrt3)s^2=k^2+1

 \frac{3t^2}{1+(3t^2-k)(-k)}=-\sqrt3 \Longleftrightarrow (3k-\sqrt3)t^2=k^2+1

となり、これを満たす s,tが存在しないといけないので(逆像法)、 (3k\pm\sqrt3)>0となります。

 (2)は(1)で上記の考察さえ出来ていれば後は計算だけなのですが、そこそこ工夫が必要で、更に工夫した後の計算もそこそこです。先ずは(1)の絵を描きます。(1)での考察が確りしていれば、考えるべき正3角形が完全に把握出来ます。正3角形の面積比較なので、辺の比が1:2になれば良く、それには各々の正3角形について、1つの辺の長さが計算出来ればOKです。辺の長さの計算には、出来るだけ計算が簡単な交点を使いましょう。んで、(1)よりs,tは各々kの式で表せますが、出来るだけ簡単なs,tのままで計算を進めます。本当にこれだけですかね。後は只の算数です。

 この問題は、兎に角、(1)で如何に3次函数の対称性に基づいた絵の考察を詰められるかがポイントだと思います。これのお陰で(1)の後半と(2)が穏やかな計算に落ちましたが、若し無ければ、途端に場合分けだらけの算数地獄になります(なりました)。

 いやーしんどいねえ。1同様、見た目的に微積標準問題的な頭の使い方に振りたくなりますが、実際には絵を冷静に考える事がポイントです。難しい年の京大の準ラスボスみたいな問題です。完答の難易度なら、1,3とトントン、5,6よりは低い、くらいな気がしますが、他の問題と違って(1)の時点から問題全体の本丸に当たる考察(3次函数のグラフの対称性から場合分けを消していく)に切り込む事が恐らく必要で、その意味で全滅の危険性は最も高かったんじゃないかと思います(俺も時間内だと本問全滅)。ただまあ、成す角が\frac{\pi}{3}\frac{2}{3}\piを特定せずにtanの加法定理に脳筋で突っ込んだ記述でも部分点はそこそこ貰えたりするのかもですし、粗くても真っ当な事ならどんどん書いておくべき問題だったのかも知れません。

 

 

5. 六芒星の呪縛(しかし大問6でなく5)、複素数の扱い(必要な情報にだけ注目)、複素平面(複素数の引き算はベクトルの引き算、回転(ドモアブル))、角度の素朴な考察と場合分け。

おかざき解答時間210分。。。

・テクニックBC

・記述量CD

・発想力D

・総合難易度CD

次の3つを強く意識する事がポイントです:

  1. 偏角だけに注目する。
  2. w=(z-\alpha)^3の偏角は、z-\alphaの3倍(ドモアブル)。
  3. 複素数の差であるz-\alphaの偏角は、複素平面上で視覚化可能。

これ等に基づき、4同様、絵による考察を十分に行う事が、本問(特に(2))のほぼ全てです。特に1について、複素数の問題では「ここだけ注目すれば良い」とスポットライトを当てる対象の選別が重要になる事が多いです(偏角、大きさ、実部、虚部e.t.c...複素数に限らず、数学全般に言える事だけどね)。

 (1)は良いでしょう。z-\alphaの偏角が最大・最小となるのはz-\alphaCに接する時なので、-\frac{1}{3}\leq\sin\theta\leq\frac{1}{3}であり、絵で考える事で\thetaの連続性は判るので、\sin\theta-\frac{1}{3}\leq\sin\theta\leq\frac{1}{3}の間の値全てになる事が判ります。従って、求めるのは\sin3\theta=3\sin\theta-4\theta^3=:3y-4y^3-\frac{1}{3}\leq y\leq\frac{1}{3}での最大値最小値となり、これは微分すれば良いです。

 さて、厄介なのは(2)です。(1)は「具体例でノリを掴んでね~」って形のヒントに過ぎず、それ以上の役には立ちません。最初のポイントの2つ目の「w=(z-\alpha)^3の偏角は、z-\alphaの3倍」というのを強烈に意識しながら、偏角の変化やその範囲を追跡していきます。先ず、偏角の範囲を [\theta_m,\theta_M] ( -360\text{°}\leq\theta_m<\theta_M\leq360\text{°})と表します(ごめん。角度は度数法で書きます。角度大きくなると弧度法だと処理落ちする)。すると (z-\alpha)^3の偏角の範囲は、3(\theta_M-\theta_m)となります。これが360°以上になる場合、即ち\theta_M-\theta_n\geq120\text{°}の場合は、条件は自明に満たされます。だって(z-\alpha)^3の偏角が360°一周するつってんだから、どう考えても実軸の正の部分と負の部分を通過します。この考察により、先ず\alphaがCの中または上に乗っかってる時は全て条件を満たすと判ります。従って、勝負は\alphaがCの外にいる時です。では\alphaがCの外にいる時ですが、この時は、\alphaからCに引いた2本の接線とCの接線を各々a,bとすると、\theta_M-\theta_m\angle{azb}として視覚化されます。即ち、考察すべき3(\theta_M-\theta_m)は、この視覚化された角度の3倍です。これが360°以上になるには、0中心\frac{2}{\sqrt3}の円の中か上に乗っている場合なので、ここも求めるべき領域にぶち込みます。んで1番厄介なのはこれ以外の場合で、ここからは単に偏角の差3(\theta_M-\theta_m)を考察するだけでは足りず、いよいよ、\theta_M\theta_mが各々どういう形で実軸正の部分と負の部分を踏んでいくかで、細かく場合分けをしていきます。結論から言うと、 -360\text{°}\leq\theta_m<\theta_M\leq360\text{°}と合わせ、次の通りですね:

 \begin{cases} 3\theta_M\geq-540\text{°} \\ 3\theta_m\leq-720\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq-180\text{°} \\ \theta_m\leq-240\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq-360\text{°} \\ 3\theta_m\leq-540\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq-120\text{°} \\ \theta_m\leq-180\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq-180\text{°} \\ 3\theta_m\leq-360\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq-60\text{°} \\ \theta_m\leq-120\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq0\text{°} \\ 3\theta_m\leq-180\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq0\text{°} \\ \theta_m\leq-60\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq180\text{°} \\ 3\theta_m\leq0\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq60\text{°} \\ \theta_m\leq0\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq360\text{°} \\ 3\theta_m\leq180\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq120\text{°} \\ \theta_m\leq60\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq540\text{°} \\ 3\theta_m\leq360\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq180\text{°} \\ \theta_m\leq120\text{°} \end{cases}  

 \begin{cases} 3\theta_M\geq720\text{°} \\ 3\theta_m\leq540\text{°} \end{cases} \Longleftrightarrow \begin{cases} \theta_M\geq240\text{°} \\ \theta_m\leq180\text{°} \end{cases}  

これ等を満たす\alphaを順に図示すると、0中心\frac{2}{\sqrt3}の円をすっぽりと覆う六芒星が出現します。後は面積を求めるだけです(算数)。

 (1)は取れなきゃいけないと思います。一方で(2)は、どこまで行ければ良いんですかね?例えば上の解説で言う \theta_M, \theta_mが小さい(0°に近い)時を考察して、``六芒星の1パーツ''くらいの絵は描けると、部分点は貰えるかもです(俺が試験時間内に出来たのもここまで)。ただ、この考察をちゃんと上記の様に式でみっちり詰めるには、かなりの手を動かしながら絵を観察する事が必要になると思いますし(なりました)、満点はかなり難しいよねえ。堅実に取り組めるという意味で、異次元の難問という感じでは全くないですが、それを試験時間内に完遂出来るかは、また全然別の話です。

 

 

6. 素因数分解と約数の数え上げ(3で割った余りと約数の個数の偶奇性)、場合の数(数えるもののすり替え(約数の個数を素因数の選び方にすり替え))

(2)補題の設定、漸化式の立式と数学的帰納法。

(3)ディオファントス方程式(積の形)、範囲を絞ってしらみつぶし。

おかざき解答時間360分。。。

・テクニックD

・記述量D☆

・発想力D

・総合難易度D

かなり難しく、考察量も極めて多いですが、それでも冷静に設定していくと、堅実に取り組める整数問題だとは思います(俺の解答を基に判断すると、制限時間付きの試験問題としては不適切としか思えないけど)。

 先ずは

n=3^cp_1^{a_1}\cdots p_l^{a_l}q_1^{b_1}\cdots q_m^{b_m}

を素因数分解とします。但し、p_iは3で割ると1余る素因数、q_jは3で割って2余る素因数とし、c,l,mは0を許します。ここでは前者の素因数を「1型」、後者の素因数を「2型」と呼ぶ事にしましょう。すると、1型2型の素因数のみから成る全約数(a_1+1)\cdots(a_l+1)(b_1+1)\cdots(b_m+1)個の内、f(n)は2型の素因数が偶数個(0個含む)のものの個数で、g(n)は2型の素因数が奇数個のものとなります。という事で、(1)はこれを基に適当に数えれば良いです(まあまあ怠い)。

 次に(2)ですが、2型の素因数が存在しない場合は自明なので、そうでないとし、次の主張を示す事が必要十分です。

  • 正整数 b_1,\ldots, b_m ( m>0, b_1\leq\cdots\leq b_m)に対し、 q_j b_j個ある時、この中から重複を許して偶数個を選ぶ場合の数e_mは、奇数個のそれo_m以上である。但し、1個も選ばない事も許し、それは勿論0個(偶数個)選んだものと見做す。

mに関する数学的帰納法で行きましょう。

先ずm=1の時、b_1個のq_1から偶数個選ぶ場合の数と奇数個の場合の数を考えると、前者が後者以上なのは明らかです。何故なら、1個も選ばない(0個選ぶ)場合も含めるので、これは単純に

(b_1\text{以下の偶数の個数})\geq(b_1\text{以下の奇数の個数})

という事実を言っているだけです(例えばb_1=3なら(0,2\text{の2個})=(1,3\text{の2個})だし、b_1=4なら(0,2,4\text{の3個})>(1,3\text{の2個})みたいな感じです。等しいか1個差かが偶奇のみに依存)。

次にe_m\geq o_mを仮定し、 e_{m+1}\geq o_{m+1}を示します。R,Sを各々「0\text{以上}b_m\text{以下の偶数の個数, 奇数の個数}」とすると、次の漸化式が成り立ちます:

 \begin{cases} e_{m+1}=Re_m+So_m \\ o_{m+1}=Se_m+Ro_m \end{cases}

辺々引くと

 e_{m+1}-o_{m+1}\geq(R-S)(e_m-o_m) 

となるため、R\geq Sが言えれば良いですが、これは正に帰納法の最初のb_1に対して示した事と全く同じです。

 最後に(3)。これが本当に重いです。何か良い数え方があるのでしょうか?俺はもう、次の様なしらみつぶししか思い付きません。

先ず、cはどうでも良いので、面倒臭いので0という事にしてnの形を絞っていきます。

g(n)=\underbrace{(1\text{型の素因数の選び方})}_{=A}\times\underbrace{(2\text{型の素因数奇数個の選び方})}_{=B}

であり、一方でg(n)=15=3\cdot5なので、ここからAとBの値がかなり絞り込めます(要はAB=15というディオファントス方程式を考えているだけです)。さあ行くぜ:

\underline{A=15, ~B=1}の場合:

A=(a_1+1)\cdots(a_l+1)=15より、 l=2, ~a_1=2, ~a_2=4である事が判ります。そしてB=1より、m=1, ~b_1=1 \text{ or } 2である事が判ります:

n=p_1^2p_2^4q_1^1 \text{ or } p_1^2p_2^4q_1^2. 

この時、f(n)=15 \text{ or } 30. 

\underline{A=5, ~B=3}の場合:

A=(a_1+1)\cdots(a_l+1)=5より、 l=1, ~a_1=4である事が判ります。そしてB=3より、「m=1, ~b_1=5 \text{ or } 6」or「m=2, ~b_1=1, ~b_2=2」である事が判ります(※):

n=p_1^4q_1^5 \text{ or } p_1^4q_1^6 \text{ or } p_1^4q_1^1q_2^2. 

この時、f(n)=15 \text{ or } 20 \text{ or } 15. 

\underline{A=3, ~B=5}の場合:

A=(a_1+1)\cdots(a_l+1)=3より、 l=1, ~a_1=2である事が判ります。そしてB=5より、m=1, ~b_1=9 \text{ or } 10である事が判ります:

n=p_1^2q_1^9 \text{ or } p_1^2q_1^{10}. 

この時、f(n)=15 \text{ or } 18. 

\underline{A=1, ~B=15}の場合:

A=(a_1+1)\cdots(a_l+1)=1より、 l=0である事が判ります。そしてB=15より、「m=1, ~b_1=29 \text{ or } 30」or「m=2, ~b_1=1, ~b_2=14」or「m=2, ~b_1=4, ~b_2=5」or「m=3, ~b_1=1, ~b_2=2, ~b_3=4」or「m=4, ~b_1=1, ~b_2=1, ~b_3=1, ~b_4=3」である事が判ります:

n=q_1^{29} \text{ or } q_1^{30} \text{ or } q_1^1q_2^{14} \text{ or } q_1^1q_2^{11} \text{ or } q_1^4q_2^{5} \text{ or } q_1^1q_2^{2}q_3^4 \text{ or } q_1^1q_2^1q_3^1q_3^3. 

この時、f(n)=15 \text{ or } 16 \text{ or } 15 \text{ or } 15 \text{ or } 15 \text{ or } 16. 

以上、纏めて,  15,16,18,20,30と判ります。 

(※)さらっと書いていますが、ここや以降のm\geq2の場合については、上手く「2型の素因数が1個、3個、5個、、、の場合」と「使う2型の素因数の種類の数」を纏めた表による相当に慎重な数え上げをしています。また、m\leq2である事やm\leq2の条件下での2型の素因数の組合せについても、「仮に``2型の素因数''の部分がq_1^1q_2^1q_3^1とするとB>3となってしまい矛盾」みたいにして先ずはm\leq2に絞り、更にm\leq2の場合を小さい方からしらみつぶしに調べて決定しています。ここの考察も或る程度書こうとすると、本当にかなりの記述量になってしまいます(B5ノート5ページ分くらい)。

 こうやってがちがちに素因数分解を考察する問題、類題は15の東工大5ですかね?(重さは全く違いますが💩)

 勿論、制限時間付きの入試の問題としてはかなりの難問である事は間違いないです。しかしながら、研究とかやっていると、解きたい問題が最終的にこういう初等的な整数の数え上げに落ち着く事って、たまによくあります。んでそうなると「っしゃ後これだけでいける!」ってなりますし、それで半日とかで解決したら「思ったより直ぐ出来て良かった☆」って感じです。この意味で、数学的には決して難しい問題ではないです。この子が難問と呼ばれるのは、所詮は入試数学という狭い世界の中だけでの話です。東大数理志望の方とかは、この事は少し念頭に置いておいてほしいです。

 

 

 

 

 

 1番簡単だった2を含め、どの問題も一筋縄ではいかず、十分な観察に基づいた考察と解法選択を要求してきます。「取れる問題を取って勉強を無駄にしない」「数学の1完で共テの失敗をひっくり返す」みたいな観点で見た場合、少なくとも俺が入試数学を解き始めた2013年以降の東大理系数学の中で、文句無しの最難セットであったと思います。

 先ず、取れる問題(真っ当に勉強したかどうかを見る問題)が1(1),2,3(1),5(1)しかありません。これだけだと、恐らく5+20+5+5=35点くらいだと思います。ただ、1(1)は上述の通り不安しかない値が出てきますし、2の確率もこの中ではましなだけで(2)の考察量の重さは決して雑魚ではない。3(1),5(1)も共に絵を動かしての考察が入るので、これ等も同様に雑魚とは言い難く、数学苦手層にとっては、ここを取り切るだけでも結構大変だったと思います。

 平均層が現実的に完答を狙い得る問題は1(2),3(2),4,6(1)で、部分点が狙えるのは4,5(2),6(2)だと思うので、ここから10~20点をかき集めた45~55点辺りに、理科I,II類の合格者平均層が集中するのではないかと思います。恐らく俺が20+20+20+(0~2.5)+(5~10)+(5~7.5)=70~80点くらいだと思うので、理I,II上位層と理III平均層もこれくらいなんじゃないかなあ。因みに4,5(2),6(2)以降も真っ当に手を動かす事は出来てしまう問題なので、上位層は残りの時間をどれに賭けるかにも大いに悩まされたんじゃないかと思います(悩まされました)。

 仮定の話ですが、入試数学の能力が1番高かった2015,16年くらいの俺なら、恐らく4と「5(2)か6(2)のどちらか」も時間内に取れ得たと思うので(いや無理だったかなあ)、この100点前後が、将来的に数理に行く子達や理III上位層の点数になるんじゃないかなあ。

 後はもう、競数出身の世代トップみたいな子達の話になると思うので、俺には想像も付かないのですが、それでも5(2),6(2)(3)を時間内に全て取るのは、もう時間の制約上、原理的に無理なのではないかとすら思います。ただそれでも、俺はどれも「どうしようもない」という感じで止まる事は無かったので、個人的には、満点の難易度は22や13よりは低く思いました(競数出身系の子達は、寧ろ22や13でこういうの取って周りとドカンと20点差付けて受かっていったのだろうけどね)。

 

追自語:

最近、思うのですが、人間って各物事に対する能力について「特別に対策しなくても維持される最低ライン」みたいなのがあるじゃないですか。例えば「縄跳びの3重跳びが出来なくなる事は無いけど、4重跳びは練習しないと出来なくなる」みたいなやつです(ステルス身体能力自慢が入っている事に注意せよ)。んで俺の場合、そのラインが「東大数学(や本気を出した京大数学)」と「(平時の)京大数学や他の地方旧帝大の数学」の間にあると思うんですよね。つまり、いつもの京大や地方旧帝大の問題なら、春に「今年もやるかー」つってやっても満点が取れますが、東大数学はどうしても、年内通じてある程度、入試数学の勉強をしていないと、満点とか全然取れないんですよね。一方で、入試とか全く興味なさそうな知り合いの中には、俺が入試の話題を出すと、後日「岡﨑君が言うから解いてみたけど簡単だったよw」とか言ってくる方が普通にいたりします。何が言いたいかというと、結局、この辺が俺の「入試数学」という競技に対する素の能力の限界な気がするんですよね。いやでも最近は忙しくて(入試どころか)研究も全然出来てなかったんで、それもデカい気がするな。今年に限らず、院生の時とかも別に普段は入試とかしてなかったけど、それでももう少しキレあった気がするもんな(つってもどっちにしろ東大は時間内に満点取れた事は殆ど無いけど💩)。職業が教師の真似事である事を考えても、やっぱ最低限、子供向けの入試問題くらいは解ける様にしとかんといかん気がするんですけどねえ。。。