予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2020東北大理系。

後味良く解けて楽しかったです。

 

難易度:やや易

昨年比:易化

 

1:(1)三角比の計算;(2)図形量のMaxmin(数式化し二次函数に帰着)、座標設定、誘導「結果の利用」。目標解答時間15分。

テクニックAB

記述量AB

発想力AB

総合難易度AB

 (1)は良いでしょう。

 (2)ですが、(1)を使って極座標的な考えで座標設定しろって事でしょう。でも(1)無しでも同じ事が出来ないと駄目です。

 誘導の使い方と座標設定と云う、教科書学習時には触れる機会が少ないであろう受験数学の常識2つがコンパクトに詰まった、良質なお子様ランチみたいな問題です。勿論、東北大理系志望者が解けないのは論外です。

 

2:(1)中学生の連立方程式;(2)直線と円が交点を持つ条件(点と直線の距離の公式);(3)誘導「結果の利用」「方針の利用」、和集合の表記。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 (1)(2)は良いでしょう。

 (3)ですが、(2)に則りCとMの関係も求め(一応「方針の利用」):

・片方と2交点で交わりもう一方とは接し、しかも2交点と接線は異なる;

・両方と2交点で交わるけど交点1つは一致,

の2通りを考えます。後者は(1)の結果の利用ですね。和集合の表記ってだけでビビってしまった受験生がいるかもです。ダサw

 1に引き続き、受験初心者向けのお子様ランチ問題です。でもこれも(1)(2)無しでも解けないと駄目です。

 

3:不定方程式;(1)離散不等式(二項展開);(2)誘導「結果の利用」;(3)誘導「結果の利用」、しらみ潰し。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 (1)ですが、まあ

3^n=(2+1)^n\gt 2^n+n2^{n-1}+\frac{n(n-1)}{2}2^{n-2}

でしょう。俺は「二項不等式」と呼んでいます。左辺を引くと

(2^{n-3}-1)n^2+3\cdot2^{n-3}n-8

となり、これが作題者側の模範解答である事が直ちに判ります。

 (2)は(1)より答の候補がn=1, 2のみと判ります。計算すれば両方共答です。

 (3)は(2)からn=1, 2のみで、後はしらみ潰しです。

 (3)だけで良い気がします。(3)だけなら総合難易度B~BCくらいですかね。

 

4:確率(該当パターン全調査、確率のMaxmin)。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力A

総合難易度AB

 玉を出したり入れたりする問題です。えっちですね。

 (1)(2)は良いでしょう。でも(2)は取り出し方全パターン計算しなきゃなので、まあまあ怠いです。色が関係するのはここ迄です。

 (3)も5個目はn回目で取り出し、残りの4個をn-1回の何処で取り出すかを計算するだけです。

 (4)は数列の最大値です。p_{n+1}p_nで共通因子が沢山有るので、比を考えると良いと思います。

 玉5つがまあまあ多くて計算がうざいです。3つで良いだろ。金玉マニアかよ。

 

5:複素平面;(1)(2)複素数計算誘導;(3)複素平面の軌跡(円周、連続性)、誘導「結果の利用」。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力A

総合難易度B

 (1)(2)は良いでしょう。

 (3)は(2)より円周上ですが、(1)のパラメータ考察する事で円周上半分と判ります。上半分全てを取る事はパラメータの連続性とかで議論します。集合の一致の議論ですね。

 去年の九大5の後半が全く同じ問題で、うちの某教員が各予備校の解答速報の集合の一致の議論が甘い事を指摘しプチ炎上しました。その先生は去年から確か東北大に移動したので、恐らく彼が出題したのでしょう。皮肉が効いていて良いと思います。(3)で円周の上半分を漏れ無く動く事の議論は、記述出来ていない受験生が多そうです(しかし本人は満点のつもり(笑))。2(3)に引き続き、集合の理解を問うている感じが窺えますね。これ等の議論が出来ない事は、数学を勉強した事が無い事の、極めて強い十分条件です。予備校の解答速報も一寸見ましたが、今年はちゃんと数学のお勉強をされたみたいですね。偉い偉い。

 

6:(1)積分漸化式(置換積分);(2)定積分計算(fgg');(3)積分漸化式(fgg'と置換積分の合わせ技)、誘導「方針の利用」;(4)誘導「結果の利用」。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量AB

発想力B

総合難易度B

 (1)は良いでしょう。1つ目はt:=x-\pi/2の置換、2つ目は\cos^2+\sin^2=1です。

 (2)はfgg'ですが、(1)に釣られて漸化式計算と勘違いした受験生がいるかもです(俺も初めこっちを疑ってしまった)。

 (3)は

\cos^m\sin^{n+2}=-(\cos^m(-\sin))(\sin^{n+1})

と見てfgg'を用いた部分積分です。これ単体だと一寸頭を使うかもですが、(2)をヒントだと思えれば少しハードルが下がったと思います。一応「方針の利用」と捉える事も出来るでしょうか。

 (4)はnが奇数の方は勿論、(3)の漸化式を繰り返し用い(2)に帰着です。一方でmが奇数の場合は(1)の一つ目から結局、nが奇数の場合に帰着出来るんですね。上手い。恐らく、特殊函数の特殊値の整数論とかを気にしている人なんかが作った問題でしょう(いやでもそんな大層なもんでもないか)。

 (3)(4)は易問ではないですね。(4)単体なら東工大とか京大の中堅以上も務まると思います。

 

 

 

 どれも易しいですが雑魚ではないです。良質な問題が並んでいると思います。満点近く取れば、この1年の努力も十分に報われると思います。ほぼ難易度順に並んでいるのも、受験生に優しい設計ですね。