難しくて学歴コンプレックスが解消出来ません。
難易度:やや難
昨年比:難化
1:多項式方程式の複素数解(実数係数三次式は実数解を持つ、実数係数多項式の解の共役も解)、1:2:の初等幾何、解と係数。目標解答時間25分。
テクニックB
記述量B
発想力BC
総合難易度BC
偉そうに目標解答時間25分と書きましたが、俺は1時間半は掛かりました💩やられました。多項式の問題なので、解と係数は常識ですが、その前に、タイトルにも書いた通り、こいつが実数解を持つ事と残りの複素数解が互いに共役である事に気付かないと、恐らく全滅します。いや、受験生には常識なのでしょうか?後はお絵描き込みの算数です。18年の東工大1とか近いですかね。
京大では多項式方程式の複素数解の考察、多くはないですが定期的に見る気がします(16の6とか)。
初手としては個人的に最悪でした(後回しにした)。まあでも1つの事に気付かないと何も出来ないってのは、京大らしいっちゃあ京大らしい気もします。
2:(1)多項式方程式の解(解と係数の関係)、数学的帰納法(二段仮定);(2)誘導「結果の利用」、極限(三角函数、直接計算、計算可能なものを無理矢理作る)。目標解答時間25分。
テクニックB
記述量B
発想力B
総合難易度B
(1)ですが、多項式が2題目ですね。こっちは簡単です。一応、二段仮定の帰納法ですが、まあその事を一寸指摘しつつ「帰納的に明らか」くらいで良い気がします(俺もそうしました)。
(2)ですが、勿論(1)の利用で、得られた結果を利用する為に加法定理でをばらしてやります。勿論、は死にます。からが判るので(この際、が実数である事は指摘しておくべきでしょう)、ここから計算出来る三角函数の極限を作り出します。もで処理可能です。しかし最後にが残り、これがそのままでは処理出来ないので、更にと見て、加法定理で処理していきます。
多項式方程式の解の考察の後に極限って流れは12の九大3に近いです(の件とかそっくり)。(2)の極限は色々と先読みしながら式変形しないといけないので、決して易問ではない気がしますが、しかしこれでも恐らく本セットでは1番易しいと思われます。
※うぉい!最初からってすりゃあいけるやんけ!他の人の解答速報見て知りました。
3:空間図形(座標設定、「一般性を失わない」、平面の方程式)、「内積は影の長さの符号付き掛け算」。目標解答時間35分。
テクニックB
記述量C
発想力B
総合難易度BC
少ない情報から様々な図形に関する設定を自力で行わないといけない京大らしさと、処理量が膨れると云う非京大らしさが混在した問題です。
先ずはとして良いのですが、この様な設定の要求は正しく京大の問題です。19の3や18の3とかと近いでしょうか。最近多いですね。一方でやの設定にはもう一工夫必要で、内積の図形的な翻訳である「内積は影の長さの符号付き掛け算である」ってのを意識しながら、やが存在する平面の方程式を立式していきます。これさえ気付けば後は作業ですが、この作業の計算量が中々で、しかも絵を描く過程で冷静に空間把握する能力も必要とされる気がします。やる事は判っている立体図形の問題で処理量だけが膨れる、ってのは、東大っぽくて個人的に最悪です。18年の5もそうですが、最近、東大化している問題が増えてきていて嫌ですねえ。
そんなに難しい感じではないですが、易しい訳でもなく、微妙なラインです。
4:因数3の数え上げ(3による剰余類、3進付値(笑))。目標解答時間40分。
テクニックB
記述量C
発想力BC
総合難易度BC
取り敢えず3の倍数性に注目するので、3による剰余類なのは良いでしょう。であり、これで場合分けしながらが少しでも多く3で割れる様に考察していきます。
(イ)の時:
なのでであって欲しくて、
で、こっちでは如何あがいても3では1回しか割り切れない。
(ロ)の時:
なのでであって欲しくて、
なのでであって欲しくて、ここでちょいちょいからよりしか無理である事に注意しつつ
からであって欲しいです。ひょっとしたらもっと絞れるのかも知れませんが、俺はもうここでしらみ潰しに入りました(高々の10個の整数の3乗計算)。但しごめんなさい、余りにうざくて俺は近くに在った電卓使いました💩
いや整数がこれ迄の「実験→予想→証明」のパターンから脱却したのは良いのですが、殆ど力業なのはかなり嫌です。但し、その力業の実行にかなりの腕力が必要なので、まあ悪問って訳でもない気もします。因数数え上げの類題って意味では、15の東大5や17の九大3とか近いですかねえ?
※うぉい!んとこ、更にをで考えりゃやんけ!「っしゃ後はしらみでいける!」ってなって脳みそ筋肉になってたわ。
5:場合の数(該当パターン全調査、非パターンな「最初の一手で場合分け」(完全順列に近い))、対等性。目標解答時間40分。
テクニックB
記述量C
発想力C
総合難易度C
俺はよくは知らないのですが、これは恐らく有名問題でしょう(ナンプレ?)。
俺は如何解いたかと云うと、先ずi行目且つj列目をi,j成分と呼ぶ事にする事にして、1,1成分kを固定します。そして1,2成分l(≠k, 3通り)を固定します。更に2列目の何処にlを置くか、つまりi,2成分のi(≠1)の3通りを考えます。そして、ここでi,1成分がlかそうでないかで場合分けをします。恐らくここが俺の解答の最大のポイントで、元ネタは「完全順列」と呼ばれる問題の最初の一手での場合分けの処理です。
ここ迄すれば以降の数え上げは文字k, l等の対等性を意識すれば直観的には殆ど明らかなのですが、それをどこ迄「対等性より明らか」と言って良いのかが俺にはもう判りません。最初はあっさり済ませていたのですが、最終的には、厳密性を期す上で必要と思われる記述は図と併せて全部書きました。凄い記述量になりました。最初の解答だけなら記述量B程度で、恐らくこれで満点貰える気がするのですが、如何なんでしょうかねえ?それと、恐らく漸化式等を用いたもっと綺麗な解答も在る気がします。若し漸化式で解けないのなら、確率(てかこれは場合の数だけど)が非漸化式なのが2年連続です。
さて、最初に述べた通り、本問は恐らくナンプレとか数理パズルが好きな人はかなり解き易く、こう云う数学以外の素養で大きく出来に影響する問題は個人的に凄く嫌です。この経験が無い人にとっては、恐らく本セット中、最難問であると思われます。
6:三次元回転体。目標解答時間25分。
テクニックB
記述量B
発想力AB
総合難易度B
易問ではありませんが、理系に在りがちな三次元回転体です。但し、断面の最長距離の考察に少し立体的な視点が必要です。大問3の一部と似た力が要求される気がします。
京大の微積には18の6や16の4の様に三次元回転体が時々出ますね。
さて、今年は中々に難しかったと思います。俺は4で電卓使う反則をしておきながら、試験時間終了時点では1は白紙で、5も対等性に頼り厳密な記述は出来ていないままでした。恐らく試験場では4完半分位しか点数貰えなかったと思います。解答が全部完成したのは、試験時間を1時間半近くオーバーしてからでした。年々、スピードが落ちてきている気がします。27歳って未だ全然若い気がするのですが…
明らかに難化ではありますが、-2000して3の倍数となる年(i.e., 2009,2012,2015,2018)の様な難問による難化ではなく、全問そこそこ難しい。雑魚が1問もいないのは、京大としてはかなり珍しく、東大みたいです。って事で、難問はいないため、満点の難易度はそこ迄高くはない気がしますが、一方で数学が苦手な人の中には全滅したって人もいるのではなかろうかと推察されます。合格点も、2,6に加え何とかもう1問分取って半分も確保出来ていれば十分な気がします。
取り急ぎ解いてブログにしたので、明日以降に解答を付け足したりするかもです。