俺は最後の小問集合にやられました。
難易度:5完極めて易、満点やや難
昨年比:5完大幅易化、満点同程度
1:小問集合:
問1:空間ベクトル(空間内の平面に関して対称な点)。目標解答時間15分。
テクニックAB
記述量AB
発想力A
総合難易度AB
問2:確率(「n回目で初めて」)。目標解答時間15分。
テクニックAB
記述量AB
発想力A
総合難易度AB
どっちもチャート式の★4つくらいのやつじゃないですか?
問1はPからαに下ろした垂線の足を求めるだけです。射影ベクトルとか知っていればもっと楽ですが、大した差は生じないでしょう。
問2はn-1回目赤以外の3/4が続き、n回目で赤玉の1/4になるやつです。n-1回目迄が2色だけとか1色だけでは駄目だから何かベン図みたいに考えなきゃいけないのもお約束ですね。
2:図形量の最大値最小値(数式化→微分)、数IIIの微分の教科書章末問題。目標解答時間20分。
テクニックA
記述量B
発想力A
総合難易度AB
易問でしかないんですが、計算量がまあまあ嫌です。東大の雑魚みたいな感じっすね。最後はとでも置換でしょう。解いている最中は「相加相乗で楽出来そう♪」と思っていましたが、無理っぽいです。
3:級数計算、三角函数の周期性、数IIIの級数の定期テスト問題。目標解答時間20分。
テクニックA
記述量B
発想力A
総合難易度AB
が
と周期的に変化するんで、それに合わせて級数を分けて計算すれば良いでしょう。俺は公比の5個の級数に分けて計算しました。
ほぼ同じ事ですが、先に
を計算し、初項がこいつで公比の級数だと思っても良いです。こっちの方が計算は気持ち楽だけど、試験場では直ぐに思い付かなかったらこんな工夫を考える方が時間の無駄でしょう。
いやてかかで良いだろ面倒臭えな。
(※)この問題、との和を考えてやると、ドモワブルからとなり、が絶対値1未満である事から、(複素数の)簡単な級数計算に帰着出来ますね(勿論、求める値はの実部です)。本問に限らず、の問題でとのペアを考える事は基本的なアイディアですね。同じ分野の超優秀な某先輩から指摘してもらいました。有り難うございます(てか見てくれているの嬉しいけど超怖え!笑)。
4:曲線の長さ、定積分計算(半角の公式)。目標解答時間20分。
テクニックAB
記述量AB
発想力B
総合難易度AB
問題だけ見るとこいつも数IIIの定期テスト問題ですが、積分計算がやや厄介です。京大は時々、積分の計算問題を出題しますが、これがそうって事ですかね?
曲線の長さの定義通り計算すると、被積分函数にってのが出てきて、分母のルート内を半角の公式で処理します。この半角の使い方は少しイレギュラーな気がします(いやパターンなんだっけ?覚えてない)。俺は少し悩んじゃいました。
5:軌跡;(1)円周角の逆;(2)数IIの軌跡。目標解答時間20分。
テクニックAB
記述量B
発想力B
総合難易度B
(1)は円周角の逆より外心がAに依らないんですよね。でもこの聞き方のせいで、一瞬「ん?」ってなった受験生も多いのでは?円周角の逆は、軌跡の解法選択が身に付いていないと、一寸気付き難いと思います。
(2)は普通に数IIの軌跡の問題ですが、同値性の記述には少し気を払ってくださいね。
いや(2)の計算が全然合わなくてまあまあ苦戦しました。情け無い💩
6:小問集合(のくせに強い!):
問1:素数である事の証明(対偶取って合成数である事の証明に帰着)、京大名物「実験→予想」に偽装、因数分解(積の形)。目標解答時間知らん!(方針を間違えなければ5分で解けるが俺は1時間以上溶かした💩)
テクニックB
記述量A
発想力BC
総合難易度B
問2:連続特称命題(接点Tの変種、平均値の定理)。目標解答時間40分。
テクニックCD
記述量B
発想力D
総合難易度CD
「え?また小問集合?」って感じですが、今度はどちらも雑魚ではありません(特に問2)。
問1ですが、「素数である」の定義は「1と自分以外に約数を持たない」という否定文であり、このままでは(特に示す方が)扱い難いので、対偶を考える事にしましょう。すると示すべきは「合成数ならばも合成数」となります。ここで「京大で合成の証明ときたら、まあ実験して何か因数を持たないかの考察だろw」とすると、恐らく泥沼にはまります。で実験してみると、不幸にもどっちも5の倍数になり、この方針でいけそうな気がしてしまいます。しかし、実際に5の倍数になるのはが偶数合成数である場合だけであると判ります(をmod 5で考えると判る)。しかし、ここで中途半端に上手くいけそうな感じがしたせいで、俺はこの方針に執着してめっちゃ時間を使ってしまいました。実際には、とすれば、として
と因数分解されるってだけです(より上記素因数分解が可能)。糞まじやられた!勿論、因数分解の方針自体は最初に考えたのですが、
として「あ、駄目だ」ってなって直ぐに放棄してしまいました。これは解けた人はすんなりでしょうが、俺パターンの泥沼をやっちゃった人も結構いたんではないかと思います。まじ超意地悪問題!
問2は接線の存在の証明問題です。先ずは接点(てかパラメータ)の存在に言い換えるべきでしょう。つまり、での接線で原点を通るものが存在すれば良いです。これは接線の式にを代入し(て変形し)た式(★)を満たすパラメータの存在が言えれば良いです。例の有名な荻野先生の「接点T」の変種と言って良い問題だと思います。ここから条件を如何使うかを考えます。条件を書き換えるととなり(※)、この条件を使う為に(★)を更にと書き替え、とします。すると、条件はとなります。ここで、パラメータの存在証明なので、平均値の定理の利用は常に意識しておくべきって事で、に平均値の定理(てかロルの定理ってか)を適用すると、に対してを満たすが存在する筈です。これはつまりって事なので、示したかった事が示されています。
(※)唐突にこの様な条件の書き換えを行いましたが、この発想を俺が如何思い付いたかについて書いておきます。グラフを扱う際には、「は原点と点を通る直線の傾きと見る」という(恐らくそんなにメジャーではない)定石が在ります。本問は傾きの考察をする感Maxの問題なので、の議論をする為にこの変形を行いました。因みに、平均値の定理を使う感もMaxだったので、条件の式をなんて風に変形し、左辺に平均値の定理を使ってみたりもしたのですが、如何にも上手くいきません。でもこれを使ってもいけそうな気がしているので、判った人がいたら是非コメント下さい。因みに、問2は絵的には明らかです。と言うのも、条件はつまり「原点とを通る直線が、と(点で)もう1度交わる」となります。この状況を絵にテキトーに描いてみて、原点を通る直線を傾きを色々動かせば、(平均値の定理的なノリで)丁度接する瞬間が在る筈だと判ります。ですがこれだと数学ではないので、多分点数は貰えないと思います。
いやまじ小問集合のくせにえげつないですって。特に問2はこれやって20点しか貰えないのは酷いですよ!一方で問1の因数分解は、京大では以前にも2010の理乙5でも出題されているんで、京大受験生は常識にしておいた方が良いと思います。
さて、京大理系数学は2009年以降 「-2000して3の倍数になる年は難問による難化」というジンクスが続いていました。ですが今年は「難化」と言うには余りにも5完が容易です。ボーダーは普通の理系学部でも4完超えてるんじゃないですか?しかしながら、最後の小問集合の問2が普通にかなり難しいので、満点はそんなに多くないと思います。問1も俺はやられたし。
出題分野について、何と半分以上が数IIIの微積絡みです。後は、確率漸化式が3年連続出てないですね。
あーもー大問5終った時点で1時間半以上時間が残ってたのに、最後の小問集合に2時間近く持っていかれました。
坂ダッシュしないといけないんで、九大は多分明日になります(雨天中止、でもやっぱ九大は明日)。