予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2016名大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2016/2/27に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:標準

昨年比:同程度

 

1、平面に於ける2直線の成す角、2次方程式の解の配置、目標解答時間30分。

 テクニックB

 計算量BC

 発想力BC

 総合難易度B

 平面に於ける成す角の問題です。アプローチについては昨年の阪大の記事をご参照下さい。本問は直角なのでtanの加法定理は相性が悪いです。内積で行きましょう。

 しかし本問、何も考えずに只AT→,BT→の内積を取ってしまうと、文字定数bが混ざった4次函数の問題となり、とてもじゃないけどやってられません。僕も最初、「は、出来る訳ねーじゃん。」となりました。そこで一工夫。今回は角度、即ち傾きのみに注目すれば良いので、各々のベクトルのx,y成分の共通因子を捨ててやりましょう。こうすれば、無事2次函数の交点の配置へと帰着されます。

 さて、知識自体はさして高級なものはないですが、共通因子を捨てる所に気付かないと泥沼にはまり壊滅確定。絶対取れとは言えない…

 

2、座標幾何、三角函数、目標解答時間30分。

 テクニックBC

 計算量BC

 発想力BC

 総合難易度BC

 幾何的考察も式処理も多めの座標幾何の総合問題です。

 (1)は良いでしょうが、ここで三角函数の公式1+tan^2=1/cos^2等を用い答を綺麗にしておかないと後々大変な事になっていきます。

 (2)ですが、図形的な考察により式処理をどんどん減らしていきます。この流れは、最早名大のお家芸の1つですね。先ずはOPからの距離が最大のD上の点ですが、OPと平行な直線を動かしていけば、こいつとDの接線となるとこだと分かりますよね。次は三角形の高さですが、これもOPCと合同な三角形を見抜けば、7+CPと解ります。CPも(1)でしっかり答を綺麗にしていれば、2sinθととてもシンプルになります。これで(2)も貰いです。

 (3)は(1)での整理をしっかり出来ていればオマケの三角函数微分ですが、ここ迄をゴリ押しできてしまうと、ここでtan^2と√の入り乱れる式の微分地獄となります(なりました(汗)。

 式処理一辺倒と見せかけて名大らしくしっかり幾何的なフォローも見てくる良い問題です。うーん、これも取りたいが微妙…

 

3、確率漸化式、目標解答時間25分。

 テクニックB

 計算量B

 発想力AB

 総合難易度B

 そこそこの分量の中で、確率漸化式の立式に始まり、全事象和1のお決まりパターンと対称型の連立漸化式の処理も含んだ良い問題です。類題は今年の京大の5や2012の九大の5でしょうか。

 易問ではありませんが理系の頻出パターン。他の問題との兼ね合いからも、本問は絶対取りたい。

 

4、解と係数の関係、ディオファントス方程式(6変数!)、十分性のチェック、離散特称命題(不定形)、帰納的考察の難問、目標解答時間70分。

 テクニックD

 計算量D

 発想力D

 総合難易度D

 最後の最後でとんでもないの放り込んできましたね(笑これは難しい。本年度最難問候補筆頭です。因みに目標解答時間の70分は僕が掛かった時間です(汗

 (1)から6変数のディオファントス方程式です。これだけでも相当飛んでますよ。京大のやや難でも通用します。何とか文字を減らしていき、積の形に持ち込むわけですが、如何せん6変数。上手い処理を見つけるのに相当に手こずります。類題は2007の京大理系3でしょうか。あちらはこっちにない不等式による解の絞り込みがありますが、ガタイ由来の威圧感ではこちらの方が上です。解の候補の十分性のチェックも、地味につまずきどころです。

 (2)は離散特称命題です。しかし本問、紹介しておいてアレですが、少なくとも僕が解いた限り、これらのテクニックに当てはまらない、その場で自分で1から考えなきゃならないタイプです。先ずは|b(n)|=|a(n+1)||b(n+1)|から減少するじゃん、となったのですが、a(n+1)=0になられると困る。そこで場合分けを行ったのですが、それでも上手く行かない…色々考えた末、解答の様な2回a(n)が0になる場合、と云う様なトリッキーな解答になりました。ってか、減少して下から0で押さえられるから~、の流れも、これ大学数学に片足突っ込んでます(「下に有界」なんて表現を耳にしたことがある方もおられるかもしれません)。これを制限時間内に受験生に解けと言うのは非常に厳しい。

 (3)も(2)程ではないですが、関係式から符号を絞り込んだり、1か所から数列全体を帰納的に構成したり、お世辞にもオマケで済ませられる難易度ではありません。

 まぁ普通の受験生はスルーで宜しいかと。とは言っても、(1)はディオファントス方程式のお約束をこなせば何とか食らいつけます。医学科、理学部トップ層は、ここだけでも取って欲しい。

 と云う訳で、俺のA48ページの壮大な解答をお付けしておきます。

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 では全体概評です。前3問は昨年の平均よりは若干易しいかと思いますが、何せ去年には無かった大物が居ます。全体としては昨年並みですが、満点は今年の方が遥かに厳しいと思われます。

 ボーダーは3に加え1か2のどちらか取って半分も有れば十分でしょう。ボーダーどころか、これで合格者平均も行けると思います。医学科、理学部トップ層は1,2,3は全部合わせましょう。4は果たしてどこまで行けるか。僕的には、(1)だけでも取れれば受験生としてはかなりの実力者だと思います。てかこれ時間内に全部合わせられたら、少なくとも入試数学に関しては僕位の実力があります(笑お前は何者なんだよって話ですよね。ただの痴呆窮低の童貞です。

 それにしても、数Ⅲがまさかのsincosの微分のみとは…