※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2016/2/27に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。
難易度:易
昨年比:易化
1、最小値(微分)、数Ⅲの定期試験問題、目標解答時間30分。
テクニックA
計算量BC
発想力A
総合難易度A
こう云う問題を数Ⅲの算数と言います。場合分けや計算量だけ多くて頭に来ますが。
まぁ落としたら終わりでしょう。
2、確率、トライフォースもどき、三角形の面積、多変数Maxmin(一文字固定→一次函数)、目標解答時間20分。
テクニックB
計算量C
発想力B
総合難易度B
矢印が書いてありますが、ベクトルは一切使いません。
(1)(2)はいいとして、問題は(3)です。各辺に変数x, y, zを置き面積を立式しますが、当然、3変数函数になります。つっても各変数については一次函数なんで、文字を固定して処理するだけです。でも計算量が…
因みに(3)は手元の問題だと訂正されていますが、最初期待値の問題だったそうです。最大値以外も全部計算するとか、想像しただけで嫌ですね。期待値が範囲外だからってのもそうですけど、処理量の調整の意味での訂正でもあったんじゃないですか?
(3)は一寸微妙ですねえ。
3、軌跡、目標解答時間20分。
テクニックB
計算量B
発想力AB
総合難易度B
(1)は高校入試の有名問題ですね。
(2)は片方の球の接地点P1を原点に座標設定でしょう。求める軌跡を(X,Y)、接する球の半径をtとでも置き、連立からtを消去すれば出来上がりです。さしずめ、3次元アポロニウスとでも呼んでおきましょうか。
未来の東工大生なら、これも取ってもらわないと困る。
4、素因数分解、目標解答時間15分。
テクニックB
計算量AB
発想力AB
総合難易度B
昨年に引き続き自然数の素因数分解表示を考察する問題ですが、昨年よりも易しくなっています。今後東工大志望の子は、n=p1^e1…pn^enと素因数分解して議論する問題には慣れる様にしておくと良いと思います。
増して東工大の試験であると考えれば、決して難しい問題ではないのですが、恐らくこれが差の付く問題でしょう。
一応解答を載せておきます。若干略解気味ですが。
5、パラメータの描図と求積、目標解答時間25分。
テクニックAB
計算量BC
発想力A
総合難易度AB
なんか1対1とか標準問題精講のまんまの、正にザ・パラメータって感じの問題です。普通の大学で出せば標準問題ですが、東工大がまんまこれってのは…
3倍角も三角函数がパラメータに混ざっている問題ではお約束ですよね。
全体概評ですが、目安としては、計算量が多いので計算ミスは仕方がないと思いますが、それでも1,2,3,5から3問半以上、4も(1)は簡単ですし、合わせて4問分は取りましょう。
にしても驚きました。まさか天下の東工大がここ迄数学のレベルを落としてくるとは。最初問題をさっと眺めて、他大と間違えていないか疑いましたもん。去年がそこそこ難しかったですが、それで余程受験生の出来が悪かったのでしょうか。例年なら、計算量“も”多い試験ですが。今年は本当、4以外は計算しかない。受験生のレベルに合わせて難易度を落とすのは構わないと思うのですが、それで計算ドリルになってしまったのでは意味が無い。平均層は知りませんが、トップ層には地方旧帝や、或いは東大京大にも劣らない子達も居る筈。この難易度では、彼等が余りにも報われません。