予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

マスサイネットの使い方(修士以下の九大数学科生向け)。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/2/4に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

 余り知られていないみたいなので、過去に国際誌に投稿された殆どの数学系論文を無料で閲覧、ダウンロード出来る最高にパンクでクレイジーなウェブサイト、「マスサイネット」(https://mathscinet-ams-org.anywhere.lib.kyushu-u.ac.jp/mathscinet/)を紹介しようと思います。九大内のパソコンは勿論、自宅からでも九大図書館のサイト(https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/databases/mathscinet)経由で利用可能です。サイトに入ってしまいさえすれば何と無く使い方は解ると思いますが、まあ幾つか便利な機能を紹介しておこうと思います。

 
1、分野毎の論文検索。
 かなり詳細に、自分の興味にマッチした論文だけを検索出来ます。
・トップページの上の方に在る「Free tools」をクリックします。
※たまにバグって表示されないみたいなんで、その時は表示される迄別のとこをクリックしたりしてみて下さい。

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・「MSC分類」ってとこをクリックして、自分の大まかな専門分野を選びます。俺なら「11 Number Theory」です。

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・さっき選んだ分野内で更に詳しい下位分類の一覧が出るので、好きなのを選んで下さい。俺なら「11G Arithmetic algebraic geometry (Diophantine geometry)」か、より詳しく「11G50 Heights」です。
※因みにこの「11G50」みたいな分類番号は割と数学界隈では一般的に使われているみたいで、例えば論文をジャーナルに投稿する時とかには「1ページ目の下にこれ書いとけ」とか指定されるので、自分の専門分野の番号くらいは覚えても良いかも。

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・良さ気な論文を見付けたら、下の「Article」のとこを押せば、内容を見られるサイトに飛べます。又、論文名の後ろにはその論文が該当する他の分野分類番号も載っていて、これも参考になると思います。

※たまに飛んだ先のサイトで見られなかったり、或いは「Article」自体が無かったりします。その時は論文名でウェブ検索すればアーカイブとかで見られたりしますんで、そっちを試してみて下さい。それでも駄目なら著者本人に論文くれってメールするしか無いです。

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2、その論文を引用している論文を更に検索。
 既に何か好きな論文が手元に有って、関連する論文をもっと知りたい時には、「その論文を引用しているもっと新しい論文」を検索する事が出来ます。論文下の「n citations」をクリックすれば良いです。
※nは被引用数で、これ自体が無い場合は未だ引用された事が無い論文です。因みに俺は雑魚い院生なので、この数字が小さい(i.e. 未だ他の人が読まれておらず、従ってネタが豊富に残っている可能性が高い)論文を優先的に見る様にしていたりします。

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3、著者の情報。
 論文の著者名をクリックすると、著者の情報のページに飛べます。何かお気に入りの論文を見付けたら、ここでその人の他の論文一覧を見たりする事も出来ます。
※トップページの「著者」で検索しても出来ますが、マスサイの著者検索は何か怠い(「名字, 名前」の順で書かないと拾ってくれないとかみたいな変なルールが在る)ので、こっちの方が良いと思います。
※著者ページの「Total Citations」は、過去にその著者の論文が他の論文に引用された回数の総数です。授業中に偉そうな事を言っていた先生のページに行って「何だよあいつあんだけ偉そうな事言っといて被引用たったの(以下自粛
 
 
 取り敢えず俺がよく使う機能はこれくらいな気がします。何か他に思い出したら書き足すかもです。