予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

俺は「``数学が好き''という設定の自分」が大好き!

 いつの時代も世の中は「卒業ブーム」です。学生でもない大人達が、何かに付けて何かを``卒業''したがるじゃないですか。個人レヴェルの話だと趣味とかがそうだろうし、他には最近、某友人が矢鱈と「Vチューバーの誰々が卒業卒業」五月蠅いんですが、これも正にそうですよね。何なんすかねこれ?全部とは言いませんけど、多分、普通の日々の中に、こういう``卒業''みたいな``ハレの日''を無理矢理作り出して、``劇的な人生''を演出したいだけなんじゃないですかね?こう言うと「違う!本当は好きなんだけど諦めざるを得なくて…」みたいな反論をしてくる人が一部いると思うんですけど、こう言う人に対して俺が言いたい事は1つ:「いや、好きなら負担にならない範囲でだらだらと続けりゃ良いじゃん」です。*1「続ける」って発想が無い時点で、もう趣味にしろ何にしろ、それ自体の事を余り好きではなかったって事だと思うんですよね。

 

 と言う事でお待たせしました。俺がしたいのは「趣味↦数学」とした自分語りです。以前:

数学を続ける(続けたい)理由。

にも書いた通り、俺はもう数学の勉強はあんまり好きではないです(てか寧ろ偉そうな糞っ垂れ大数学者閣下様共が書いた糞みたいに読み難い文章読むの本当に大嫌い)。研究は上手くいっている時は楽しいですが、うーん如何なんだろう、正確には判らねえや。*2一方で、これは絶対の確信を以て断言出来ますが、タイトルの通り、俺は「``数学が好き''という設定の自分」の事はもうまじで大好きです。この気持ちならまじで誰にも負けねえ。同率一位の可能性は在ったとしても、間違い無く世界最強です。だから俺はこの世界最強の座を守る為に、何が在っても絶対にだらだらと数学を続けてやるぜ!

 

 と言う事で、俺が言いたかった事は1つ:

「``〇〇が好き''って設定」を舐めんな!○○を完全に卒業しちまった時点で、てめえは「そもそも○○が本当は好きではなかった」ってだけではなく「``○○が好き''って設定の自分」すら諦めちまったんだよ!

って事です。

 

 あ、すみません。これだけです。ツイッターに書くには字数多そうな気がしたんですけど、ブログの記事にしては少なかったな。

*1:勿論「スポーツカーレースの選手」みたいな個人の好き嫌いだけでは原理的に継続不可能なものは除きますよ。飽く迄、個人の趣味みたいなものの話です。

*2:あ、でも論文にしろ自分が作ったノートにしろ「俺がした数学」は大好きです。て言うか俺が好きです。

ドラゴン桜2の感想。

 先日のドラゴン桜2の最終回が好き過ぎて興奮してもう如何すれば良いのかよく判らないので、取り敢えず感想を書いてみます。

 

 先ず、俺は前作からの大ファンです。やまぴーの劇中挿入歌とかめっちゃ聴きましたね。1番好きなシーンは、東大落ちた小池徹平に一橋卒のお父さんが「お前は頑張った」って言うシーンです。後は、東大二次初日のシーンで流れるBGMが滅茶苦茶好きなんですが、これ、サントラに入ってなかったんですかね?*1

 

 っつー事で初めは「前作のファンとして、一応、見ておくか」程度の期待だったのですが、いや素晴らしい裏切られ方をしました。ですがその素晴らしさを如何書けば良いのかよく判らないので、取り敢えず、好きな登場人物毎に印象を書いてみます。

 

・藤井

 本作の主人公。「可愛い」の権化。しかし最終話で一気に「勇者藤井」にジョブチェンジ*23話の時点で主役側に回るだろうと容易に予想出来ましたね。ああいう周囲への攻撃的な態度は、コンプレックスの裏返しなのだと相場が決まっています。まじで昔の自分(今も?)と凄く重なるキャラクターなんで、本当に大好きです。但し、俺との最大の違いは、兎に角、可愛いんですよね。例えば:

  • 東大志望なのに共通テスト8割一寸なのポンコツ可愛い;
  • 小杉の方が精神年齢上なの可愛い(「あんた、尻尾巻いて逃げる気?」);
  • 馬鹿って言いつつ東大専科気になっちゃってるの可愛い;
  • 豆腐メンタル可愛い;
  • 意外と寝相が良いの可愛い;
  • 桜木先生のアドヴァイスに素直に感心しちゃうの可愛い;
  • カレー奢ってくれた水野先生に目立たず会釈してるの可愛い;
  • 天野励ますの下手かよ可愛い;
  • 一寸良い子になって悪態付いてた先生に挨拶返すの可愛い;
  • 健太に貰ったであろうクワガタのストラップ付けてるの可愛い(ツイッター情報);
  • 健太にバナナ貰って素直にお礼言えるの可愛い;
  • 「ロボット作りたい」とか少年かよ可愛い;
  • 「お前らは再来年ぐらいまでかかるんじゃねえの?」やっぱり藤井で可愛い。しかしこれは或る種「遅くとも再来年には受かるだろう」って事で、最後には岩井と小橋をちゃんと認めてるのも可愛い,

辺りでしょうか。因みに俺的に1番可愛いと思ったシーンは、模試で「やばいやばい」みたいに言っていたとこです。

 「主人公」ってのは強ち間違いではないと思っていて、つまりドラゴン桜2は、初めは可愛いだけだった藤井の成長物語なんですよね。健太を助けたシーンは勿論ですが、助けた後、自分の怪我も顧みず、「あいつらに試験中も何かされたんじゃねえか?」ってさらに気を回せたところも最高です。優しさと頭の良さを兼ね備えた、本物のヒーローへと成長しましたよまじで。落ちた後の「認めるわ。俺馬鹿なんだよ」には本当に泣かされました。自分の弱さから目を背けていたタイプがいつか必ずぶち当たる現実です。この悔しさ、本当に痛い程によく解ります。*3だけど藤井はちゃんと乗り越えられそうですね。*4「そういう自分になれた事が嬉しくて嬉しくて…」って台詞も本当に素晴らしい。どれだけ根は良い奴なんだよ。育った環境のせいで捻くれただけで、藤井は間違い無く性善説側の人間ですね。ここは俺と全然違います(俺の根性がひん曲がっているのは多分産まれ付き)。羨ましい。

 最初は「気持ち解るわー」って思って見ていたのに、最終話で一気に俺よりもずっとちゃんとした大人になっちゃって、嬉しい様な寂しい様な気持ちです。いや本当に素晴らしいキャラクターでした。ツイッターでも同じ事を言いましたが、まさか日本のドラマにこれだけ素晴らしいキャラクターを生み出すポテンシャルが有ったとは。役者さんも本当に適任だったと思います。良いものを観させてもらいました。もう本当、只々感謝です。

 最終話、観る前は「(やまぴーとか)前作組が出て来る王道胸熱展開」を期待していたのですが、蓋を開ければ完全に「勇者藤井」の物語でした。いや本当に(良い意味で)期待を裏切られましたね。本当に感謝です。

 実は周囲の登場人物達とフラグを立てまくっているプレイボーイでもありますね。天野とのライヴァルカプも良いですし、小杉との精神年齢差カプも在りですし、健太との「天才×常識人」も手堅いです(数学で言うところの「ハーディ×ラマヌジャン」型)。意外なところで、早瀬と「毎日喧嘩してるけど実はお互い尊敬している」みたいなのも在りかも知れません。しかし藤井の本当の片想いの相手は矢張り桜木先生です。

 

・岩井と小橋

 仲良し愛され坊主。「お前らどんだけ仲良いんだよ?」可愛い。俺も大好きです。しかしどっちが岩井でどっちが小橋かは最後迄覚えられなかった。1話とのギャップが兎に角、凄い。素直さの権化。小杉と健太を助けるシーンは最高でした。来年、必ず受かって欲しいですね。

 

・瀬戸

 序盤の``食えない敵役''感は何処へやら。東大専科合流後は只のポンコツキャラになってしまいました。だがそこが可愛い。東大二次開始直前の周りの受験生を見た感想、めっちゃ好きです。てかこのシーンの3人目の発狂してる奴、まじでリアルですよね。俺も何処か受験した時に全く同じ奴を見ましたよ。瀬戸屋のラーメン、俺も食いたいです。てか腹減ってきた。

 

・小杉

 沢山食べる女の子大好きです。お姉ちゃん属性の持ち主で、主に健太と藤井に対して発動しています。お父さんの件や岩井小橋に助けられるシーン等、正統派のヒロイン属性も持っています(しかし、俺的にはお姉ちゃん属性一本でいって欲しかった気も…)。

 1番、ヒロインらしいヒロインだったと思います。役者さんも正統派美人だし。

 

・健太

 藤井を主人公だと思った場合のヒロイン。

 いや俺も虫、大好きなんで、虫に優しい奴も好きです。健太の虫籠を蹴飛ばしたシーンは、俺は唯一、藤井に「それはいかんやろ」と思いましたね。

 てか役者さん、発達障害の演技、上手過ぎだろまじで。個人的には、写真記憶で自分の受験番号を見付けた直後の「麻里ちゃん」の言い方が好きです。

 

・岩崎

 1話の万引きシーンで商品をポケットに入れた瞬間の身体を反転させる動きが中々美しかった様に記憶しています。後は合格発表の時の瀬戸のネクタイを引っ張るシーンも好きです。役者さんの動きが良い。

 他人を煽る割に自分は親に何も言えない言えないところとか「リアルな若者だなー」って印象でした。

 バドミントンの動きは精々地区大会レヴェルな気がしますが、*5まあでも地区大会レヴェルには動けている印象でもあったんで、役者さんはひょっとしたらバドやってたのかも知れないですね。

 

・早瀬

 逞しい女。金持ちの慶應ボーイとか捕まえて1番成功しそうな子です。兎に角、役者さんが可愛い。

 

・天野

 気弱キャラに擬態した生粋のラッパー。そう言えば桜木先生とは大河ドラマ天地人」でも共演していましたね。「わしは東大専科、来とうはなかった!」

 

・天野弟

 いやこれはずるいって最終話で一気に好感度爆上げやん。登場シーンは少なかったですが、藤井に匹敵するポテンシャルを持っていると思いました。いや本当、あの振り向きざまのドヤ顔、まじむかつくわー(誉)。

 このまま優秀キャラを突き進むも良し、何処かで詰まった時に東大生のお兄ちゃんを頼ってみるも良し。可能性の幅はとても広いと思います。

 理III A判定でしたが、高1の模試の偏差値は高校受験の貯金だけで意外と高く出ちゃったりするんで(俺もそうでした)、油断せずに頑張って欲しいですね(でもあのドヤ顔から察するに、その心配は無えか)。

 

・岩崎両親

 最終話直前迄、余り良い印象は無かったんですが、最終話のお父さんのおにぎりはやられましたね。親父不器用かよ可愛い。お母さんも良い味出してました。

 いや藤井も岩井小橋も天野弟もそうですが、俺ってやっぱ、根っからの善人より改心した奴のギャップに弱いみたいですね。

 

・理事長

 やり方はまずいが根は良い人。でもちゃんと人の言う事に耳を傾けられる人なので、印象は凄く良かったです。俺も見習うべき点は多い様に思いました。

 恐らく最終話辺りで桜木先生に惚れているので、つまり藤井のライヴァルという事になるのですが、一方でその藤井に対しては劇中の台詞でしばしば年上属性を発動したりもしているので、今後の動向が全く読めないです。

 てかこの役者さん、前作にもヤンキー役で出てましたね(ツイッター情報)。言われる迄、全然気付きませんでした。

 

・ホモ校長

 良い味出してました。只の小者ではなく、ちゃんと面白いです。

 

 

 いやまあこれで一通り言いたい事は言えた気がします。大分すっきりしてきました。何か滅茶苦茶「可愛い」って言った気がします。如何やらドラゴン桜2は俺にとって「可愛い」のドラマだった様です。

 続投の人はもう良いでしょう。但し桜木先生については、3話最後の「馬鹿とブスこそ東大に行け」のシーンは本当にしびれましたね。*6BGMの入るタイミングも完璧でした。俺が「ひょっとしたら前作超えあるんじゃね?」と最初に思ったのもこのシーンでした。

 

 もう本当に素晴らしいドラマでした。何年かに1回、俺の中の「心を大きく動かされた作品リスト」が更新されるのですが、大概はゲームとかアニメで、ドラマは初めてな気がします。

 制作に関わった方々に、本当に感謝です。

*1:因みに、2の東大二次初日のBGMもめっちゃ好きです。前作の方は敵の強大さが強調されている感じで、2の方はどちらかと言うと立ち向かう生徒達の勇気とか希望とかが強調されている感じですね。どっちもラスボス戦BGMの鉄板です。

*2:「勇者藤井」はツイッターで見掛けた表現をお借りしました。

*3:日本のドラマに泣かされたのは初めてな気がします。

*4:一方で俺はと言えば、一応、乗り越えたつもりなのだけど、実際のところ未だよく判らない。

*5:俺は一応、元バドミントン部です

*6:その前の演説タイムはやや説教臭かったけど(笑)。

主観と客観の区別。

 ツイートしようかと思ったんですけど、一寸長くなったんでこっちで。*1

 

 タイトルの通りです。主観と客観の区別を付けずにものを言う人間が多いですが、基本的には害悪だなあ、と思って。某ゆきの「あなたの感想ですよね」ってやつです。これだけ煽られてんのに、未だにやってる人間、多いですよね。

 俺は一応、数学で教師もやってるんで、指導者を例に考えてみましょうか。この例で言うと、つまり「単に自分が好きってだけのもの」と「多くの人が学ぶべきもの」ってのは、基本的に異なっており、それを分けて考えられない人は、まあ基本的に指導者には向かんだろうという話です。勿論「指導要領に入っている」という意味では、学校の各教科の内容はどれも学ぶべきものではありますが、そうではなくて、「人生に必要か」とか「人生を豊かにし得るか」みたいな話です。例えば初等幾何。三平方の定理くらいなら未だしも*2、意味不明な補助線の引き方なんか、如何考えても生きていく上で必要無いし、殆どの人にとって生活を豊かにする様な類いのものではありません。勿論「だから教えるな」と短絡的な結論を出したい訳ではありません。そうではなくて、例えば作図問題が出来なかった学生に対して、人間性や社会性みたいな、全然関係の無いものの否定を含意するかの様な事を言い放つ``教師''とか、世の中に結構いるのではなかろうかと。こういう``教師''を糾弾するのが目的です。初等幾何なんてのは、数学教師が好きなだけのもの、或いは数学教師の飯のタネってだけのものであって、その出来不出来で学生に何かネガティヴな物言いをするなんてのは、寧ろてめえの方こそ頭おかしいんじゃねえか、って話です。こういう一般論的に不要な内容ってのは、教師は飽く迄「俺は好き」つって紹介して、それで食いついてきた学生にだけより詳しく話してあげれば良いのです。いやてか若い子とかを見ていると本当に思うんですが、``数学教師''のネガティヴな物言いが原因で数学アレルギーを起こしちゃう子が如何に多い事か。何か``数学教師''って、こういう「相手の気持ちを考えてものを言う」みたいなの、出来ない人が多いんですかね?まあ俺も大概、他人の事を言えたもんではありませんが、少なくとも俺は「俺は他人の気持ちが判らない」ってのと「だから気を付けなきゃいけない」ってのぐらいは意識しています。*3てか、他人の数学の不出来を偉そうに指摘する前に、てめーはちゃんと逆像と逆写像の違いやら商集合の元の形やらをきちんと解ってんのか、って話ですよね。てめーが理学部数学科で如何いう立場だったか思い出したら、少しは数学が出来ない人間の気持ちも考えられる様になりそうなもんですが、逆像と逆写像を混同している様な奴等には、それだけの知能すら無いんですかねえ。*4

 

 さて``要らなそうな数学''の話をしたんで、「要りそうな数学」の話もしておきましょうか。例えば三角函数とか指数函数。馬鹿な政治家とかが``要らない数学''としてよく挙げる名前ですが、理系卒のエンジニアなんかはまじで良く使うんじゃないでしょうか。確かに日本人全員には直接は要らないかもだけど、これを教科書から外したら、恐らく日本社会は数年後には壊滅する気がします。これも(さっきの教師の話とはまるっきり逆の)「主観と客観の混同問題」ですね。そりゃあ昼間は会議中に寝て夜は三密会食するだけの人達には要らないかもだけど、これが無くなったら世は如何なるかって話ですよね。数学が要らないんじゃなくてお前が数学に要らねえんだよまじで。てかねずみ講にでも引っ掛かって「馬鹿」つってワイドショーで笑いものにでもされやがれまじで。勿論、全員には要らないから全員に強制するのは良くなくて、でもだから高校は理系文系に分かれるんですよね。

 

 っつー事でまあ、書きたい事はこんなもんですかね。

*1:やる気が出ない時って、こういう文章を書きたくなってしまうんですよね。良くない感情な気がしますが、まあ書いてスッキリしたらやるべき事に取り掛かるって事で。

*2:流石に三平方の定理は理系だと知っていないと多分色んな人が困る。主に建築関係とか?

*3:「いや意識出来てないじゃん」って思う人、まじで多い気がします。いや本当、その場で教えてください。感謝しかしないです。

*4:何かさっきのさっきで自分が書いた事が思いっ切りブーメランとして飛んできそうな文章ですが、でも「逆像と逆写像の混同」と「主観と客観の混同」は、どちらも「少し落ち着いて考えれば明らかに違うと解るもの混同している」という点で、何か似た様な問題でもある気もします。あーいやでも今は「主観と客観の区別」ではなく「相手の気持ちを考えろ」という話との比較だったんで、やっぱこの文章は駄目だわ。すいません。

虚しみが深い。

 何か一寸、自分語りにはまりそうなので、これから割と頻繁にやるかもです。

 いや、戦争映画の戦闘シーンを幾つか見てたんですけど、人間が一瞬でバラバラになったりして、本当、凄まじい恐怖を感じます。「人が死ぬ」という一大事が、一瞬で起きて一瞬で次のシーンに移行して…こういうのを見ていると、本当、身体を鍛えてんのも虚しくなってきます。どんなに身体を鍛えても、あの状況に置かれたが最後、殆ど意味が無いものになってしまう。*1一個人の存在のちっぽけさを自覚させられてしまいます。

 まあでもそうなるとやっぱ「そもそもあの状況に身を置かずに済ませる」しか無くて、それにはやっぱ、勉強して頭良くなるしか無い気がします。明らかに人間は肉体的な強さよりも頭脳優位の存在ですからねえ。でも、そう思って知性の業界に身を置こうとしている俺は今、矢張り才能の差で自分のちっぽけさを自覚させられている訳でして。「絶対に勝てない」と思う人が「絶対に勝てない」って思う人がいて、その人にもまた「絶対に勝てない」って思う人がきっといて。いや、勿論、理想論としては学問って勝ち負けではない訳なんですが、実際には研究費が取れなかったり、就職出来なかったり、或いは研究集会で発表して「あの人の数学は大した事ない」なんて思われたり、確たる現実として「勝ち負け」が存在します。うーん、何とか搦め手で生き残っていけないものか…

 戦争にしろ競争社会にしろ、人間って本当にちっぽけな存在で、でもそういう状況を作っているのもやっぱり人間で。あーもうまじ本当に何もかもにむかつきますわ。こうなると段々「神になりたい」みたいな妄想に憑り付かれてしまう訳なんですけど、現実から逃げる為に妄想に憑り付かれ過ぎると、現実の状況が悪化していってしまうんで、まあじゃあ妄言はこのくらいにして、また業務に戻りますね💩

*1:勿論、例えば脚が速けりゃ多少生存率は上がるかもですけど、高が知れているでしょう。

数学を続ける(続けたい)理由。

 業務の息抜きに少し自分語りをば。

 俺が数学を好きな一番の理由って、恐らく「数学が知識として1番普遍的で確りしている」と思うからなんですよね。だって、サイエンスは所詮、観測結果から帰納した知識に過ぎないし、言語なんかはそもそも人間が作ったものな上に、時代背景みたいな下らないものに左右されて直ぐに文法的に美しくない例外とかを生み出してしまうし。それに比べて数学は、全て公理から演繹されているし、定理に例外は存在しないし(「この場合は成り立たない」みたいな主張の述べられ方は在るけど)、現実とか社会とかそういう下らないものが介入する余地が無い(少ない)のが最高です(勿論「どういう分野が発展していくか」みたいなのは大いに人類の観測能力や時代背景に依存する訳だけれど、だから俺はそういう臭いがする分野は余りやりたくない)。俺って兎に角「自分が人間である事(もっと言うと、存在が実体に依存している事)」と「自分がよく知らない他人」が大嫌いなんで、出来るだけこういう``汚くて惨めな現実''から遠くに在る、より普遍的なものが好きなんだと思います。後はこう思う様になった切っ掛けは、やっぱ大学受験ですかね。いや、沢山の科目を勉強する訳ですが、他の科目は結局は最後は「現実にこうなのだから後は覚えるしか無い」みたいな説明をせざるを得なくなるし、しかもそこを覚えちゃえば何か偏差値は直ぐに70超えるし、詰まんないんですよね。一方で数学は、もうまじで全部自分で納得出来るし、しかもそれで挑んでも偏差値60くらいだし、いや本当に学問として1番優れている気がしてなりません。

 もう1つの理由は「才能の無い人間(俺)が、方法論だけでこの特別な学問に何処迄太刀打ち出来るか、試してみたい」ってのもですかね。いや、入試の攻略法とか書いているのからも判ると思うんですけど、俺って兎に角「再現性の高い方法論を考える」ってのが大好きなんですよね。だからこそ、自分の中で特別な学問であるこの数学で、自分の方法論を何処迄作れ、そしてそいつで何処迄太刀打ち出来るのかを、是非試してみたいんです。

 っつー事で、俺って数学自体よりも、「数学の在り方」とか「方法論」とかそういうのばっか好きで、だから勉強は全然好きじゃないんですよね。てか、そもそもよく知らない他人とか嫌いだし、そんな連中が(俺にとって)難しく書いてある文章とか、まじで糞程にも読みたくねえ。権威とかも大嫌いなんで「皆が「大事大事」言ってるけど、その重要性を俺が認識出来ていない分野」とかも、ヘイトの対象でしかねえ。

俺様史上最高の出来なので、ひょっとしたら受かるかも知れない申請書。

 前の記事をご覧になった某先生が「落ちるよりも受かると口にしていた方が受かるものですよ」と言ってくださったので、この記事では「受かる」と口にしてみようと思います。

 

 いやてか前の記事の最後でも一寸追記しましたが、正直「ひょっとしたら受かるんじゃね?」とは思っています。いやだって本当にめっちゃ良い申請書なんですってまじで。学振の審査って「必ずしも自分と専門が近い訳ではない人」も審査員にいる訳ですが(と言うか寧ろ殆ど?)、そういう人にも絶対に読んでもらえる様にまじで気合入れて書きました。てか、非専門向けの高さ函数(俺の専門です)の概説文章としてもめっちゃ優れていると思います。

 研究の趣味も良い。だって高さ函数って「絶対値の一般化」ですよ?こんなもん、大切に決まってるじゃないですか。確かに数学自体は簡単かも知れないですが、寧ろこれだけ基本的なものでも未だこれだけやるべき事が数学には残っているんです。前の記事でも同じ様な事を書きましたが、小難しい事をやる前に先ず大切なのは基本ですよまじで。

 あー駄目だまじで受かる気がしてきた。今まじでこんな気分です:

【HD画質】Z会TVCMまとめ 【初代~四代目】 - YouTube

もう受かる気しかしねーぜ!ふぁーっ!

俺史上最高の出来だけど、それでもきっと落ちてしまう申請書。

 日本には「学振」と呼ばれる、優秀な博士課程の大学院生や若手研究者に生活費を支給する制度が在ります。自分の研究について述べた申請書を書いて提出し、それを審査されて大体5倍くらいの倍率を勝ち抜けば、生活に困らない程度のお金を2~3年間貰う事が出来ます。まあ学振については調べてくれればもっと詳しく書いてくれているサイトが沢山在るんで、そっちを見てもらう事にして、今回するのは、この学振に関する俺の自分語りです。

 

 さて、博士課程の大学院生の場合、学振に応募する機会は、最大で3回有ります。俺の場合、1回目の頃は研究の「け」の字も頭に無い状態だったのでそもそも応募せず、2回目3回目には応募はしたけどかすりもせずに落ちました。*1そして、今年は若手研究者向けの方の学振に応募しようとしていて、その申請書をたった今、書き上げたところです。

 我ながら、本当に良い申請書が書けたと思います。体裁の為の上っ面の言葉が一切無く、一文一文が互いに繋がって「俺は何故この研究をしたいのか?この研究は将来に何の役に立ちそうか?」という事をまじで語っています。

 けれどまあ、今回も恐らく落ちる訳で、だからこそこの``素晴らしい''申請書が、半年後には「学振落ちの紙切れ」になってしまう事が、本当に悲しい訳です。少なくとも大学院生向けの方の学振には十分通りそうな出来だと思っているので、クオリティだけなら後輩とかの参考にも十分なり得るものだと思っているのですが、落ちてしまう以上、縁起が悪くてとても他人様に見せられたもんじゃない。と言う事で、自信が無い理由は簡単で、この申請書は飽く迄「学生にしてはよく出来ているレヴェルに過ぎない」からです。何より、俺には研究業績が圧倒的に足りない。俺は未だ、論文を3本しか書いた事が有りません。更に、3本とも(俺にしては中々に頑張ったと思ってはいますが)優秀な人達からしたら、まあ大した研究じゃないんだとも思います。*2つまり、結局は「文章として優れているだけのもの」が書けたってだけなんで、多分、ライヴァル達には数学でちゃんと負けちゃうと思うんですよね。

 「俺の数学は簡単過ぎる」みたいな事を言いました。これについて、俺は現在、博士課程3年の学生な訳ですが、俺が今持っている研究成果や、或いは今取り組んでいる研究って、どれも学部生とか修士課程の頃に出来たものだと思うんですよね。「じゃあ実際、てめえはその頃、何をしてたんだ?」って話ですが「偉い人達が``良い数学''と呼ぶものを盲信して、それ等を勉強する為に身の丈に合わない分野に特攻して、結局は2年近くを棒に振った」って感じです。*3だから、身の程を弁えて確りと自分に出来る基礎から勉強してさえいれば、きっと今の自分の研究成果を、先に述べた通り学部や修士の頃に確り出せたと思うんですよね。そう思うと、今回の申請書も大学院生向けの最初の学振に提出出来た気がしますし、それならきっと通ったと思うんです。勿論「痛い目に遭って初めて自分の身の程を知った」みたいなところ迄含めて俺の実力だった訳で、「だから俺はもっと出来た筈だ」みたいな主張をする意図は全く有りません。そうではなくて、「折角こういう経験をした訳なんだから、こいつを少しでも後進の人達の役に立てたい」と思うのです。「自分で経験して知るには何年も掛かる事であっても、人から聞いてしまえば一瞬」みたいな知識が、世の中には意外と溢れている気がしていて、この「身の程を弁えた数学との向き合い方」も、その内の1つである気がします。勿論、才能が有る人なら、自分の好きなものに思う存分チャレンジすれば良いと思います。また、そうではない人にも、決して「無理だから大人しく身の程に合った数学だけやってろ」なんて言い放つつもりは一切有りません。ただ、少なくとも「修士の内にこの大理論を勉強して、この内容で修論を書いて、学振も貰うんだ!」みたいなのは、まじで無謀なんで止めといた方が良いって事です。「いや長い数学人生なんだし、況してそんな大理論なら、ゆっくり勉強すれば良いじゃないか。そうして確保した時間で、現実的なものにも目を向けてみようじゃないか」って話です。「漠然としたネームバリューへの憧れではない、ちゃんと自分の手で触れる数学」をして初めて、研究とかに関して色々と気付く事も在る様に思います。

 てか、周囲の大学院生達を見ている感じ、やっぱ論文の様に目に見える成果として「自分はちゃんと数学出来てる」みたいなものが無いと、段々と病んでいってしまう人が殆どな気がします。なので、少なくとも何かしら関わりが有る後輩とかには、出来ればそうはなって欲しくないと思う訳です。ただまあ、これも結局は俺の気持ち悪い自己満足の押し付けに過ぎない気もしますし、やっぱ人とのコミュニケイションって、難しいですよねえ。俺って多分「``他人の為を思って行動する''って設定の自分」が好きなだけで、本気で他人の事なんて考えていやしないので、この辺はまじで「俺って人間性終ってるなー」って思います。*4

 

 いや話が大分逸れましたね。兎に角、「頑張って書き上げた``素晴らしい出来''の申請書が、誰の役にも立ち得ない只の紙屑になってしまうであろう事が、とても悲しい」というお話でした。

 

 

追記:

 何かあたかも「俺のやり方が正しい」みたいな言い方しちゃいましたけど、そんな風には全く思っていません。俺は結局「難しいものに正面から立ち向かう」という事を諦めてしまった人間なので、逆に「苦しみながら大理論に正面から立ち向かい続ける」という数学のスタイルを続けた末に成功した人からしたら、俺みたいな奴の方が研究者として間違っていると思われるんだと思います。*5

 俺が正にそうなんですが、(余程信頼している相手でもない限り)他人の話なんか基本的に聞く気になれないし、結局は各々自分が正しいと思うやり方をするしか無いんでしょうね。だって俺も大して仲が良い訳でも無い``偉い先生''から「ハーツホーンを読んでない奴が研究なんてけしからん!今直ぐハーツホーンにだけ取り組め!」とか言われても「五月蝿えばーか」としか思いません。但しまあ、流石に「ばーか」とは言いませんが「あなたとは考えが違うんで、仰る通りには出来ません」くらいは言える様になりたいですよね。向こうも向こうで、これ以上俺に関わっても時間の無駄だろうし、相手の事を思っても、です。

 あの、てかこれ俺の我儘なんですけど、若し俺から「考えの押し付け」みたいなのされて嫌だって人がいたら、まじで言ってください。それで恨んだりとか絶対にしません。寧ろ嫌がっている相手に色々言っちゃう事の方が遥かに嫌なんで、はっきり言ってくれる方が有り難いくらいです。他人の言葉の裏を読もうとする割に、まじで他人の気持ちが一切判らない人間なんですよね。いや本当、人間関係って難しいわ。ハーツホーンの半分くらいむずい。*6

 

追々記:

 「きっと落ちてしまう」という表現も、推薦書を書いてくださった先生方に凄く失礼な気がしてきました。本当にごめんなさい。でも、流石に「受かりそう」とは思えませんが、正直「ひょっとしたら間違って受かっちゃうんじゃね?」くらいは思っちゃってます。それくらい(自分の中では)頑張って書けたつもりなんです。いやでもこうやって一寸期待とかしちゃうと落ちた時にまたちゃんと傷付いちゃうんで、あーもーやだー。

*1:学振は落ちると順位を付けられて返ってくるのですが、2回とも真ん中くらいでした。倍率5倍なんで、話にならない順位ですね。

*2:俺的にはまじで趣味の良い研究をしていると思っているんですが、如何せん、数学の内容自体が少々簡単過ぎるんですよねえ。

*3:いや曲がりなりにも勉強してたってんなら未だましだったんですけど、実際には学部4年の半ばから修士1年の冬辺り迄の1年以上の間、もう本当に数学が嫌で嫌で仕方が無くて、殆ど何もしていませんでした。

*4:「○○な自分が好きなだけなんじゃないのか?」って自問を普段からし過ぎているせいで、最近は何が本当の自分の感情なのか、よく判らなくなってきてしまいました。しかし、こんな風に真面目に悩んでしまう自分の事もこれはこれで本当に大好きなので、もう如何仕様も在りません。

*5:つーか俺未だ研究者じゃねーし💩

*6:てかハーツホーンハーツホーン言ってるけど、実際俺が読めなかったのは上野先生の本です。況やハーツホーンをや。誰が(俺を)数学嫌いにしたのか。