予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2020阪大理系。

簡単そう過ぎて机に向かって解く気も起きないので、解きながらブログも書きます。

 

難易度:おちんちんが生える程易

昨年比:おちんちんが取れる程易化

 

1:数Ⅲの微分の教科書章末問題。目標解答時間15分。

テクニックA

記述量A

発想力A

総合難易度A

 何だこれは?生きていれば解ける様になる。

 

2:確率漸化式の傍用問題集例題。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量AB

発想力A

総合難易度AB

 まじか。申し訳程度に複素数で書いていますが、要は正六角形上の点の移動です。これも生きていれば解ける様になる。

 

3:明示されていない値に関する不等式の証明(数式化(正弦定理)、微分)、数Ⅲの定期テスト問題。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量AB

発想力AB

総合難易度AB

 さて、解いてみましょう。

 明示されていない値に関する不等式の証明なのですが、まあ数式化でしょう。\theta:=\angle ABCとするのは良いでしょう。正弦定理より

\frac{b}{\sin\theta}=\frac{c}{\sin n\theta}

\Leftrightarrow c=\frac{\sin n\theta}{\sin\theta}b

ですよね。なので

\frac{\sin n\theta}{\sin\theta}\lt n

を示せば十分です。成り立ちそう。

f(\theta):=n\sin\theta-\sin n\theta

とでもして微分でしょう。但し、周期性のせいで常に0より大ではなさそうなので、範囲を絞っておきましょう。\thetaは三角形の内角なので

0\lt \theta+n\theta\lt \pi

\Leftrightarrow 0\lt \theta\lt \frac{\pi}{n+1}

ですかね。面倒臭いので手元で計算しましたが、微分すればこの範囲ではf(\theta)は0より大になりました。めでたしめでたし。

 いや嘘やろ。糞易問。

 

4:二次方程式の2解(\beta-\alphaが綺麗になるやつ)、数Ⅲの面積(パズル、「\alphaと置いて先に進め」、対称性)、極限計算(多分算数、分子の有理化は多分する)、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 交点がまあまあ怠そうですね。でも恐らく算数です。交点のx座標はx(t-x)=1の2解ですね。「\alphaと置いて先に進め」が得策でしょうか。小さい方から\alpha, ~\betaとします。

(台形の面積)+(積分計算)+(三角形の面積)

を計算しましたが、汚くてこれ以上計算をしたくないです、如何しましょう?扱っている値が二次方程式の2解なので、出来るだけ対称性を保ちたいです。パズルを考えて対称性を保つ面積計算に変えます。14の京大6に近いですかね。

(一辺tの直角二等辺)-(はみ出ている部分)

でしょうかね。計算したら\beta-\alphaが沢山出てきました、これで計算出来そうです。二次方程式の2解である事を意識しつつ整理したら常識的な極限計算に帰着されました。大した量ではなさそうですが、面倒臭いのでもう計算は止めます。すまんこ。

 

5:(1)明示されていない値のMaxmin(数式化、座標設定、文字の変域注意(三角形の成立条件より))、軌跡の解法選択(楕円)、楕円上の点のパラメータ表示;(2)Maxmin(二次方程式)。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量AB

発想力B

総合難易度B

 最後はまあまあ怠そうですが、まあこれも多分、算数でしょう。

 (1)態々一文字固定のヒントを付けてくれるんですね。鈍角の場合も考えなきゃいけないのは怠いです。いや、でもこれ、軸でない2辺の和が一定2-aだから、楕円っすわ。使いそうだけど使わないかも。これは適当に思い付いてしまいました。まあでも「点Pの軌跡の問題」と言えるので、そこから解法選択すれば必ずいつでも思い付ける筈です。さて、これを使って座標設定しましょうか。計算しました。

B=(a/2,0), ~C=(-a/2,0), ~A=(\frac{2-a}{2}\cos\theta,\sqrt{1-a}\sin\theta)

と座標設定します(三角形の成立条件より、a<1を注意しておきます)。対称性より\theta\leq\pi/2としておきましょう。計算すれば鈍角三角形の場合含め体積は\frac{1}{3}\pi a(1-a)\sin^2 \thetaとなります。\theta=\pi/2で最大ですね。勿論、この時、直角二等辺です。

 (2)(1)より、二次函数のMaxminです。文字の範囲も(1)から0<a<1が自然に得られています。

 思った程、計算も怠くはなかったですね。(1)で楕円であるってとこだけ少し発想力っぽいですが、軌跡の解法選択だと思えば絶対に気付ける筈です。(2)だけで良いだろ(それなら一文字固定も自力でやらなきゃなのでもうちょいムズイ)。

 

 

 

 さて、これは如何した事でしょう。作問委員の総入れ替えか、ここ数年の高水準の反省か、或いは別に何も考えていないのか。問題もご丁寧に難易度順に並んでいます。にしても、これでは合格者最低点も満点でしょう。

2020東大理系。

難し目の傾向が続きますねえ。

 

難易度:やや難(最早これを「標準」と呼ぶべきか?)

昨年比:同程度~微難化(雑魚がいなくなった)

 

1:二次不等式、集合の共通部分、対称性(崩す)。目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力B

総合難易度B

 (1)ですが、そりゃあ

(最高次係数が負の二次式)\gt 0

なる二次不等式の解は\alpha\lt x\lt \beta空集合になってしまうため、当たり前です。背理法ですね。

 (2)もそりゃあ

(最高次係数が正の二次式)\gt 0

なる二次不等式の解はx\lt\alpha, ~\beta\lt xか実数全体になるので、全部これだと共通部分がx\gt pの形になる筈ありません。これも背理法です。

 (3)は対称性からc=0として良く、後はa, bが0か否かで場合分けしながら連立不等式の処理です。

 いや、知識や議論は基礎でしかなく、こう云うのは普通に生きていれば出来る様になる筈なのですが、如何なんでしょうか?一寸正確な判断が出来ませんねえ。案外、東大受験生なら皆余裕なんでしょうか?

 

2:存在領域(ファクシミリの原理(非パターン)、素朴に動かす)、初等幾何(三角形の等積変形と面積比)、パズル。目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量BC

発想力C

総合難易度BC

 不等式中央の値をf(X)と書きましょう。求めるのは

\{\,X ~|~ 2\leq f(X)\leq3 \,\}

ですが、先ずはこれを

\{\,X ~|~ 2\leq{}^\exists k\leq3 \mbox{ s.t. }  f(X)=k\,\}

と見ます。「ファクシミリの原理」ってやつです。そしてここからXを素朴に動かすのですが、ここで三角形ABCの各辺の延長線上との位置関係が重要になる事が判り(ベクトルの終点の存在範囲とかも頭の片隅に置いていると更に連想し易いかも知れない)、後は等積変形や面積比を素朴に考察するだけです。パズルっぽい頭の使い方もしますかね?

 通常、ファクシミリの原理を適用する場合と若干、パラメータの固定の仕方の毛色が異なるのですが、先に「Xを素朴に動かす」ってのを実行していれば、思い付き易い気もします。知識的にも発想的にも中々高度な気がするですが、頭の良さでさらっと解けてしまいそうな感じもします。如何なんでしょうかねえ?

 

3:(1)単調性の証明(式変形だけ);(2)微分計算;(3)パラメータ描図(パラメータ微分)、誘導「結果の利用」、パラメータ求積(パズルも)。目標解答時間30分。

テクニックB

記述量BC

発想力B

総合難易度B

 (1)ですが、こんなの微分しちゃ駄目です。\frac{1}{1+t}の単調性に帰着されます。

 (2)は言われた通り微分するだけです。

 (3)は(1),(2)の情報に加え、最大距離を与える点と極値を与える点の位置関係を厳密に述べる為にも、先ずは微分が必要でしょう。「回転」なんて言っていますが、後は絵を描いてパズルを考えるだけです。

 雑魚ではないですが、割と標準的で前2問に比べればまだ解き易いですかねえ?

 

4:(1)等比数列の和、余計な独立小問;(2)多項式の論証(次数に注目、係数比較)、実験→予想(離散全称から連想)、コンビネーションと二項展開的な見方;(3)多項式の係数比較、誘導「結果の利用」。目標解答時間40分。

テクニックBC

記述量BC

発想力CD

総合難易度CD

 (1)ですが、計算が怠いだけです。しかも独立小問です。糞。

 (2)は多項式に関する問題なので次数に注目するのは良いでしょう。すると

\frac{f_{n+1}(x)}{f_n(x)}

多項式だとしたら、これは一次の筈です:

f_{n+1}(x)=(p_n+q_nx)f_n(x).

これを繰り返し用いれば

f_n(x)=(p_{n-1}+q_{n-1}x)\cdots(p_1+q_1x)f_1(x)

であり、結局、f_n(x)は一次の積に分解する筈だと予想出来ます。じゃあそうだとして、各係数p_n, ~q_nの決定ですが、p_n帰納的に1と判り、一方でq_nn=1,2,3あたりで実験すればp_n=2^{n-1}と予想出来ますが(実験をする事自体は示したい事が離散全称である事から連想)、ここでミソになるのがa_{n,k}の定義で、二項展開的な見方により以上の予想が正しい事がほぼ直ちに判ります。最後の発想は難しくないと思います。f_n(2x)の方は前半からほぼ直ちに判ります。

 (3)は(2)が誘導となっています。a_{n+1,k+1}, ~a_{n,k}多項式の係数と見て

\begin{cases}f_{n+1}(x)=(1+2^nx)f_n(x) \\ f_{n+1}(x)=(1+x)f_n(2x)\end{cases}

からk+1次の係数比較をし、余計なものを連立により消去するだけです。「するだけ」とか言いましたが、パターンではなく誘導の意義を理詰めに考えながら解かないといけないので、俺はまあまあ時間が掛かりました💩

 実は本問、ツイッターで問題を探している時に「一次の積」って言葉を見掛けてしまっていて、それで俺は(2)の発想のハードルが格段に下がっていました。まあでもこれ無しでも俺なら上に書いた様な思考はルーティーンとして絶対にする筈なので、時間はもっと掛かっただろうけど解けたと思います。信じてください。

 

5:三次元求積(複雑な動きを二方向の動きに分解)。目標解答時間40分。

テクニックBC

記述量CD

発想力BC

総合難易度BC

 最早、東大理系数学のお家芸となりつつある、立体を点等の複雑な動きで記述し、その動きを単純な動きに分解して考える事で体積を求める数Ⅲの積分です(17の6,16の6)。z=tでの断面考察ですが、Pをz=s≦tと三角錐の共通部分(i.e., 円)だけで動かし、その後、sを動かします。これもファクシミリっぽいっちゃあファクシミリっぽいです。境界だけ考察すれば良いので、sの固定時、Pは円周だけで動かせば良いですが、その事は一言指摘すべきでしょう。

 易化傾向が続いていた14~17辺りなら最難大取レヴェルでしたが、今年はこれも(易しくはないがパターン問題ではあるので)寧ろ取り易いレヴェルです。

 

6:(1)個数の情報込みの特称命題(中間値の定理、-1≦sin≦1);(2)楕円のパラメータ表示と接線、楕円で囲まれた領域内の点(ファクシミリの原理的な見方 or 極座標表示的な見方)、誘導「結果の利用」、特称命題(具体的に1つ見付ける)、三角函数の方程式。目標解答時間40分。

テクニックCD

記述量C

発想力C

総合難易度CD

 (1)は良いでしょう。只の特称ではなく個数の情報も込みですが、それを踏まえても極自然に解けると思います。

 (2)ですが、まあPの方は楕円上の点のパラメータ表示でしょう。楕円の接線の公式は、恐らく暗記しているものをそのまま使って良いでしょう。一方のQですが、こいつは与えられた楕円盤領域を

\{\,(x,y)~|~ 0\leq{}^\exists s\lt r \mbox{ s.t. } 2x^2+y^2=s^2\,\}

と見て、再び楕円のパラメータ表示で表します。これもファクシミリっぽい見方とも言えます。或いは極座標表示でしょうか。今年、本当に多いですねえ。これで直交の条件を式にすれば(1)に近い式になり、これで誘導として使えます。そして「あー成程、じゃあ(1)のA>1が最小値に対応するんでしょ」と空気を読む訳です。但しその議論には「解を4つ未満しか持たない様なA, \alpha」を具体的に与えねばならず、これは立派な特称命題の証明となります。実際には特別な値、即ちA=1と((1)で極値の議論に関わった)\frac{整数}{4}\piを考えれば良いですが、こう云う議論も高校生は苦手そうです。残りの三角函数から成る方程式の解の個数に関する議論も地味に怠いです。

 いや、これは兎に角、誘導(1)が見事です。重めの議論と見事な誘導により味付けされた特称命題で、正しく東大理系数学、って感じです。

 

 

 

 去年はまだいた「これは易しい」って問題が、今年は竟に1題も在りません。1は基礎問題ですが、まじで基礎なので雑魚ではありません。2も難しくはありませんがそこそこの発想力が要求されます。数Ⅲの標準問題である3,5は、しかし処理量や必要な議論の数が多く、これ等も決して易しくはない。4,6は中々に高度で、どっちも(1)以外は試験場ではかなり厳しいと思います。確実に取れそうなのは3(1)(2),4(1),5(1),6(1)くらいで、残りから果たしてどれくらい集められたか。半分も取れれば十分なレヴェルな気がします。

 因みに俺は当然、時間内には解けていません💩

 

※今年の問題、4以外は全部、解とかパラメータとか点とかの存在系がテーマの問題ですね(格好付けて言うと、数学科学部1年がお勉強する「写像」っぽい議論)。いやまじ東大理系志望者は入試数学の掌握やった方が良いです。2巻の半分迄で良いと思います。

2020九大理系。

去年の反動でしょうねえ。

 

難易度:やや易

昨年比:大幅易化

 

1:接点T。目標解答時25分。

テクニックB

記述量B

発想力A

総合難易度AB

 「この点は出ねえよぉ!」

 

2:(1)\omegaと見せかけてからの-\omega;(2)連立合同式(チャイリメ)。目標解答時間25分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 去年に引き続き多項式がテーマの問題です。

 (1)ですが、タイトルの通りこいつは-\omegaです。まあでもそうってだけで次数下げとかは全く同じです。c, dを求めるのはx+y\sqrt{2}=0\Leftrightarrow x=y=0と同じノリです。

 (2)は代入して連立合同式です。所謂「中国剰余定理」通称「チャイリメ」ですね。高校生は知っているのでしょうか?まあ知らなければ普通に解けば良いだけです。

 

3:糞怠空間ベクトル。目標解答時間40分。

テクニックAB

記述量C

発想力AB

総合難易度B

 処理量だけ最悪です。俺はもうAをx軸上、Bをxy平面に座標設定して、内積計算や余弦定理を使いまくって連立解きまくって座標全部求めました。細かい分析をするのももう怠いです。まあでもこの算数をちゃんと実行出来る事が、ちゃんとお勉強した証拠とも言えそうな気がしなくもないです。

 俺みたいに家で踏ん反り返って解く分には易問でしかないのですが、こう云うの、試験場では差が付くでしょうねえ。

 

4:確率(サイコロの目の積);(1)(2)余事象;(3)余事象 or 該当パターン全調査。目標解答時間25分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 サイコロの目の積ですが、振る回数が4回なので教科書の章末問題レヴェルです。

 (1)(2)が余事象なのは良いでしょう。5/2の倍数でない確率と、5/2の倍数だけど25/4の倍数でない確率、の和を求め、1から引けば良いです。

 (3)は普通ならこれも余事象で

100の倍数でない

⇔(25の倍数 and 4の倍数)でない

⇔25の倍数でない or 4の倍数でない

⇔{(5の倍数でない) or (5の倍数だけど25の倍数でない)} or {(2の倍数でない) or (2の倍数だけど4の倍数でない)}

とドモルガンを使ったりするのですが、振るの4回で内2回は5で決定なので、該当パターンを全部数え上げても良いでしょう(俺はそうした)。多分、(1)(2)の解答を含め誘導のつもりだったのでしょうが、振る回数を4にしたばかりに死んでしまっています。下手糞ですね。でも小問の置き方が下手ってだけで、極々標準的で悪い問題ではないと思います。

 まあ勿論、満点貰いましょう。

 

5:三次元回転体(竹槍ローリングサンダー)。目標解答時間30分。

テクニックB

記述量BC

発想力AB

総合難易度B

 ザ・理系の標準問題です。この1年のお勉強の成果を遺憾無く発揮し、確り満点を貰いましょう。そして回っているのは明らかに竹槍です。京大より空間的な見方が要らない分、処理量はこっちの方が上、って感じでしょうか。

 

 

 

 さて、去年が余程出来が悪かったのでしょう。大幅易化です。まあでも易しいけど割と良質な問題が並んでいるので、満点取れば十分努力が報われると思います。平均層は2(2),3,5は出来が悪いでしょうねえ。ここから1問分弱取れれば合格者平均行くと思います。6割ちょいですかねえ。

 俺も解いていて大変気分が良かったです。しかし九大の問題は出来て当たり前なので、残念ながら学歴コンプレックスの解消にはなりません。

2020京大理系。

難しくて学歴コンプレックスが解消出来ません。

 

難易度:やや難

昨年比:難化

 

1:多項式方程式の複素数解(実数係数三次式は実数解を持つ、実数係数多項式の解の共役も解)、1:2:\sqrt{3}の初等幾何、解と係数。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力BC

総合難易度BC

 偉そうに目標解答時間25分と書きましたが、俺は1時間半は掛かりました💩やられました。多項式の問題なので、解と係数は常識ですが、その前に、タイトルにも書いた通り、こいつが実数解を持つ事と残りの複素数解が互いに共役である事に気付かないと、恐らく全滅します。いや、受験生には常識なのでしょうか?後はお絵描き込みの算数です。18年の東工大1とか近いですかね。

 京大では多項式方程式の複素数解の考察、多くはないですが定期的に見る気がします(16の6とか)。

 初手としては個人的に最悪でした(後回しにした)。まあでも1つの事に気付かないと何も出来ないってのは、京大らしいっちゃあ京大らしい気もします。

 

2:(1)多項式方程式の解(解と係数の関係)、数学的帰納法(二段仮定);(2)誘導「結果の利用」、極限(三角函数、直接計算、計算可能なものを無理矢理作る)。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力B

総合難易度B

 (1)ですが、多項式が2題目ですね。こっちは簡単です。一応、二段仮定の帰納法ですが、まあその事を一寸指摘しつつ「帰納的に明らか」くらいで良い気がします(俺もそうしました)。

 (2)ですが、勿論(1)の利用で、得られた結果を利用する為に加法定理で\sin(\alpha^n\pi+\beta^n\pi)をばらしてやります。勿論、\sin(整数)\piは死にます。|\alpha|\gt1から|\beta|\lt1が判るので(この際、\alpha, \betaが実数である事は指摘しておくべきでしょう)、ここから計算出来る三角函数の極限\frac{\sin\beta^n\pi}{\beta^n\pi}を作り出します。\cos\beta^n\pin\rightarrow\inftyで処理可能です。しかし最後に\cos\alpha^n\piが残り、これがそのままでは処理出来ないので、更に\alpha^n=(\alpha^n+\beta^n)-\beta^nと見て、加法定理で処理していきます。

 多項式方程式の解の考察の後に極限って流れは12の九大3に近いです(\beta^n\rightarrow0の件とかそっくり)。(2)の極限は色々と先読みしながら式変形しないといけないので、決して易問ではない気がしますが、しかしこれでも恐らく本セットでは1番易しいと思われます。

※うぉい!最初から\alpha^n=(\alpha^n+\beta^n)-\beta^nってすりゃあいけるやんけ!他の人の解答速報見て知りました。すまんこ。

 

3:空間図形(座標設定、「一般性を失わない」、平面の方程式)、「内積は影の長さの符号付き掛け算」。目標解答時間35分。

テクニックB

記述量C

発想力B

総合難易度BC

 少ない情報から様々な図形に関する設定を自力で行わないといけない京大らしさと、処理量が膨れると云う非京大らしさが混在した問題です。

 先ずはA=(1,0,0), ~B=(\frac{1}{2},\frac{\sqrt{3}}{2},0)として良いのですが、この様な設定の要求は正しく京大の問題です。19の3や18の3とかと近いでしょうか。最近多いですね。一方でCDの設定にはもう一工夫必要で、内積の図形的な翻訳である「内積は影の長さの符号付き掛け算である」ってのを意識しながら、CDが存在する平面の方程式を立式していきます。これさえ気付けば後は作業ですが、この作業の計算量が中々で、しかも絵を描く過程で冷静に空間把握する能力も必要とされる気がします。やる事は判っている立体図形の問題で処理量だけが膨れる、ってのは、東大っぽくて個人的に最悪です。18年の5もそうですが、最近、東大化している問題が増えてきていて嫌ですねえ。

 そんなに難しい感じではないですが、易しい訳でもなく、微妙なラインです。

 

4:因数3の数え上げ(3による剰余類、3進付値(笑))。目標解答時間40分。

テクニックB

記述量C

発想力BC

総合難易度BC

 取り敢えず3の倍数性に注目するので、3による剰余類なのは良いでしょう。n=3n'\pm1であり、これで場合分けしながらf(m,n)が少しでも多く3で割れる様に考察していきます。

(イ)n=3n'+1の時:

f(m,n)=m^3+(3n'+1)(3n'+2)+3

なのでm=3m'+1であって欲しくて、

f(m,n)=(9の倍数)+6=3\{(3の倍数)+2\}

で、こっちでは如何あがいても3では1回しか割り切れない。

(ロ)n=3n'-1の時:

f(m,n)=m^3+(3n'-1)3n'+3

なのでm=3m'であって欲しくて、

f(m,n)

=27m'^3+(3n'-1)3n'+3

=3(9m'^3+3n'^2-n'+1)=:3☆

なのでn'=3n''+1であって欲しくて、ここでちょいちょいn=3n'-1=3(3n''+1)-1=9n''+2からn\leq 30よりn''=1, 2, 3しか無理である事に注意しつつ

☆

=9m'^3+3(3n''+1)^2-3n''

=3(3m'^3+9n''^2+6n''+1-n'')

からn''=1であって欲しいです。ひょっとしたらもっと絞れるのかも知れませんが、俺はもうここでしらみ潰しに入りました(高々m=3, 6, \ldots, 30の10個の整数の3乗計算)。但しごめんなさい、余りにうざくて俺は近くに在った電卓使いました💩

 いや整数がこれ迄の「実験→予想→証明」のパターンから脱却したのは良いのですが、殆ど力業なのはかなり嫌です。但し、その力業の実行にかなりの腕力が必要なので、まあ悪問って訳でもない気もします。因数数え上げの類題って意味では、15の東大5や17の九大3とか近いですかねえ?

※うぉい!=3(3m'^3+9n''^2+6n''+1-n'')んとこ、更にm'\mbox{mod }3で考えりゃm'=3m''+1やんけ!「っしゃ後はしらみでいける!」ってなって脳みそ筋肉になってたわすまんこ。

 

5:場合の数(該当パターン全調査、非パターンな「最初の一手で場合分け」(完全順列に近い))、対等性。目標解答時間40分。

テクニックB

記述量C

発想力C

総合難易度C

 俺はよくは知らないのですが、これは恐らく有名問題でしょう(ナンプレ?)。

 俺は如何解いたかと云うと、先ずi行目且つj列目をi,j成分と呼ぶ事にする事にして、1,1成分kを固定します。そして1,2成分l(≠k, 3通り)を固定します。更に2列目の何処にlを置くか、つまりi,2成分のi(≠1)の3通りを考えます。そして、ここでi,1成分がlかそうでないかで場合分けをします。恐らくここが俺の解答の最大のポイントで、元ネタは「完全順列」と呼ばれる問題の最初の一手での場合分けの処理です。

 ここ迄すれば以降の数え上げは文字k, l等の対等性を意識すれば直観的には殆ど明らかなのですが、それをどこ迄「対等性より明らか」と言って良いのかが俺にはもう判りません。最初はあっさり済ませていたのですが、最終的には、厳密性を期す上で必要と思われる記述は図と併せて全部書きました。凄い記述量になりました。最初の解答だけなら記述量B程度で、恐らくこれで満点貰える気がするのですが、如何なんでしょうかねえ?それと、恐らく漸化式等を用いたもっと綺麗な解答も在る気がします。若し漸化式で解けないのなら、確率(てかこれは場合の数だけど)が非漸化式なのが2年連続です。

 さて、最初に述べた通り、本問は恐らくナンプレとか数理パズルが好きな人はかなり解き易く、こう云う数学以外の素養で大きく出来に影響する問題は個人的に凄く嫌です。この経験が無い人にとっては、恐らく本セット中、最難問であると思われます。

 

6:三次元回転体。目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 易問ではありませんが、理系に在りがちな三次元回転体です。但し、断面の最長距離の考察に少し立体的な視点が必要です。大問3の一部と似た力が要求される気がします。

 京大の微積には18の6や16の4の様に三次元回転体が時々出ますね。

 

 

 

 さて、今年は中々に難しかったと思います。俺は4で電卓使う反則をしておきながら、試験時間終了時点では1は白紙で、5も対等性に頼り厳密な記述は出来ていないままでした。恐らく試験場では4完半分位しか点数貰えなかったと思います。解答が全部完成したのは、試験時間を1時間半近くオーバーしてからでした。年々、スピードが落ちてきている気がします。27歳って未だ全然若い気がするのですが…

 明らかに難化ではありますが、-2000して3の倍数となる年(i.e., 2009,2012,2015,2018)の様な難問による難化ではなく、全問そこそこ難しい。雑魚が1問もいないのは、京大としてはかなり珍しく、東大みたいです。って事で、難問はいないため、満点の難易度はそこ迄高くはない気がしますが、一方で数学が苦手な人の中には全滅したって人もいるのではなかろうかと推察されます。合格点も、2,6に加え何とかもう1問分取って半分も確保出来ていれば十分な気がします。

 

 取り急ぎ解いてブログにしたので、明日以降に解答を付け足したりするかもです。

2019北大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/3/6に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:やや難(北大としては)

昨年比:易化

 

1、垂線の足、s≧0,t≧0,s+t≦1、目標解答時間15分。

テクニックA

記述量AB

発想力A

総合難易度A

 タイトルに在る通り、三角形の周上または内部と言われたら条件反射でこれです。これは完答以外在り得ません。

 

2、連続n整数、n,n+1:互素、誘導「結果の利用」「方針の利用」、目標解答時間20分。

テクニックB

記述量B

発想力B

総合難易度B

 (1)ですが、連続2整数の積は当然偶数です。

 (2)(3)もmの倍数はm飛びに分布しているのでそりゃあ当たり前で、それを文章にするってだけですが、苦手な人が多そうですねえ。こう云う当たり前の事を確りと文章にする力って、数学力以前のものである気がします。この能力が低い人が如何すればそれを上げられるのかは、申し訳有りませんが俺には分かりません。

 (4)は(2)(3)の結果の利用ですが、因数3が高々1個である事も言わなきゃいけません。証明は(2)(3)と同様で、方針の利用とも言えそうですが、まあ「同様に…」で良いと思います。

 北大理系生なら解けて当たり前の問題ですが、現実問題としてそうとはいかないでしょうねえ。差が付くと思います。「高校生は苦手だろうなあw」とか思いながら解いているのが、優越感が刺激され大変気持ち良かったので、解答を作りました。

f:id:okazar1992:20191120102748j:plain

3、極値(微分)、分数函数極値、軌跡(パラメータ消去、雑魚)、目標解答時間20分。

テクニックA

記述量B

発想力A

総合難易度A

 (1)は「文字定数が入っていても微分出来ますか?増減表書けますか?」って聞かれているだけです。

 (2)は与えられた分数函数極値を具体的に求めないといけないのが計算だけ一寸大変です。実は分数函数極値f(a)/g(a)はf'(a)/g'(a)と等しい、ってのが在って、これを使えば計算も楽ですが、うーん答案で何の断りも無く使っても良いのかな?まあ証明も簡単なので、示せば良いだけです。「分数函数 極値」とかで検索すれば直ぐに証明も出てくると思います。ところで、如何でも良い事ですがこの定理、かの有名な予備校講師、安田亨先生が発見したって事で“安田の定理”なんて呼ばれているらしいのですが、こんな簡単な主張を初めて発見したのが存命の、それも予備校講師である筈が無いと思うんですよね。でもそう思って前に調べた事が有るんですけど、それ以前のソースが出てこないんです。まあ当たり前過ぎて誰も定理だって認識が無く、従ってそう書いている文献が無いだけだと思うんですけど、実際のところ如何なんですかねえ。残りの軌跡もx座標が-tなんで、カスみたいなもんです。

 勿論、完答必須です。

 

4、確率(Σ計算)、目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 何の変哲も無い確率です。一見ルールが複雑そうですが、書いてみればそんな事もないです。Σの利用もお約束ですね。

 

5、積分方程式、加法定理、連立漸化式、誘導「結果の利用」、積分の等式証明(左辺に纏める、面積の意味付け)、目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量BC

発想力BC

総合難易度BC

 北大らしい式処理メインの積分の標準問題です。但し、(3)だけはかなり理詰めに考える必要があり、易しくはないです。

 (1)は与えられたf_{n+1}の積分パートを中のsin(x-t)を加法定理でばらせば自然に出来ます。積分計算がちょいちょい鬱陶しいですが、まあ常識の範囲内でしょう。

 (2)はこれ要らない誘導ですね。無くても自力で連立漸化式を解こうとして下さい。

 (3)だけ、かなり理詰めに考える必要があります。折角なので、俺が解いた時の思考過程を書いてみます:

「(2)からa_1=b_1=1なら良いけど、fを定数倍して幾らでも調整が効くから、a_1=b_1を考えれば良い。 …①

等式の問題だから辺々処理するか左辺に纏めるかだけど、両辺とも積分区間が同じな定積分だし、まあ後者だろう。 …②

積分の等式(∫_0^π(sin-cos)f=0)を考える訳だから計算するか面積と思うかくらいしか無い気がするけど、正体不明のfが混ざっているから後者しか無い。 …③

取り敢えず積分区間でsinとcosが各々x軸と囲む面積は等しいけど、cosの方は負になるから、等しくしようとしたら絶対値か2乗を考え∫|sin|-|cos|=0か∫sin^2-cos^2=0だろう。あ、f:=sin+cosで後者か。 …④」

みたいな感じで理詰めに①~④の4つのステップをクリアしないと、中々解けないと思います。書いてみると短くなってしまいましたが、これは俺もそこそこ難儀しました。残りの細かな積分計算は全部(1)で済んでいるので、ここ迄辿り着ければほぼ終りです。ところで、2(4)と云い、今年は「1つ求めよ。」が多いですね。

 さて、見た瞬間「うわ!やりたくねー!」と思ったのですが、実際に解いてみると上手く作られているお陰で、処理量自体はそこ迄酷くはないです。(1)(2)は絶対に押さえるべきでしょう。(3)は中々難しいと思います。これ単独なら京大や東工大のやや難でもいけるでしょう。ここも差が付きそうですね。

 

 

 全体について、取り敢えず1,2(1),3,4,5(1)(2)は確保でしょう。これで7割越え位じゃないですか?各予備校とも軒並み難化裁定ですが、絶対にそんな事は無いです。差が付くと思われるのは上でも述べた通り2(2)(3)(4),5(3)です。全部取れれば数物医学でも十分努力が報われると思います。

 昨年2題も出て、「今後要注意かも」と言っていた領域・軌跡系ですが、一応3(2)で軌跡を求めろとは言ってはいますが、こんなの軌跡の問題でも何でもないので、実質出題されていませんね。すまんこ。

 

 

 さて、これで今年も終了です。東大東工大に結構ぼこぼこにされて凹んでいましたが、最後東北大北大は割と気持ち良くしばき回せたので良かったです。

2019東北大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/3/4に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:標準

昨年比:微易化

 

1、接線(微分)、直交条件(傾きの積-1)、-1≦cos≦1、三角函数の周期性、目標解答時間15分。

テクニックAB

記述量AB

発想力AB

総合難易度AB

 答が沢山在るのだけ一瞬びびるかもですね。

 

2、対数函数(底と1との大小で場合分け)、二次不等式、目標解答時間20分。

テクニックA

記述量B

発想力A

総合難易度A

 高校2年の定期テストやってんじゃねーぞ、って話ですよね。

 

3、数列の発散証明(階差を作ってどんどん消すor有界単調列収束定理(笑))、離散全称命題(数列の不等式の証明、帰納法)、極限値(今度こそ有界単調列収束定理)、目標解答時間15分?

テクニックBC?

記述量AB?

発想力AB?

総合難易度B?

 すいません俺は高校数学で解いていないです。具体的には「有界単調列収束定理」と云う「単調増加(resp. 減少)なのに定数で上から押さえられている(resp. 下から押さえられている)数列は収束する」って内容で、時々非常に便利なので、若し受験生以下でこのブログを読んでいてくれる人がいたら是非覚えて下さい(因みに“普通には”証明出来ない定理です)。

 (1)ですが、x_nは単調なので、発散しないとすれば前述の通り収束する筈で、でも極限をxとするとx=0 or 1で明らかに矛盾です。普通に解くなら、式変形の定石の1つである階差の形(x_{n+1}-x_n)を作り、足し合してどんどん消すやつでしょう。

 (2)は不等式の証明ですが、まあ離散全称と見て帰納法でしょう。

 (3)は(2)よりいよいよ収束性が保証され、その値は(1)では不合理であると棄却された0です。普通に解こうとしたら分数型の漸化式に帰着なんですね。これは駿台の解答が解り易いと思います。

 いや本当にすいません。前に九大の後期でこれを使わないと解けない問題が出たので、今回も「うわ東北大もかよ。」って思いながら解いた後、本当にそうなのかと予備校の解答速報を見て「うわやられた…」ってなりました。高校数学で解くならそこそこ難しいと思います。

 

4、多項式の割り算、二倍角の公式、多項式恒等式、目標解答時間20分。

テクニックAB

記述量B

発想力AB

総合難易度AB

 もの自体は只の多項式の問題ですが、中々面白い背景が在ります。

 問題自体は良いでしょう。(1)~(4)全て、x^2を(x^2+1)-1と見て(x^2+1)は括り、まあつまりx^2を-1に置き換える感じです。

 ですがこの「x^2を-1に置き換える」ってのは、正しくi^2=-1に他なりません。つまりこれは、複素数Cを多項式論を使って構成しているのです(余りax+bが複素数ai+bに対応している)。

 まあでも、易問ですね。

 

5、定積分の等式証明(一方は普通に計算、もう一方は辺々引いて=0の証明に帰着→区間を揃える(偶函数利用)→奇函数)、積分方程式定数型、誘導「結果の利用」、目標解答時間30分。

テクニックBC

記述量C

発想力BC

総合難易度BC

 (1)の右の等式が直接計算なのは良いでしょう。問題なのは左側で、取り敢えず片方に全部項を纏め=0の証明にします。当然、積分区間を合わせたいので、ここで∫_0^1の中身が偶函数である事から無理矢理(1/2)∫_{-1}^1と見て、積分の中身をくっつけます。後は(定積分)=0の証明なので、奇函数に帰着でしょう。但し本問、自然に解けるっちゃあ解けますが、有名事実であり知っている人の方が断然有利です(「微積分基礎の極意」p94参照)。まじこう云うマニアックな知識を知っているか如何かだけで大きく差が出る問題は、予備校に通えなかったり参考書を満足に買えなかったみたいな受験生が可哀想なんで、止めてあげて欲しいです。まあ只、結局は東北大が如何云う学生を欲しいかって話なんで、俺がとやかく言う事ではないですけど。

 (2)は極平凡な定数型積分方程式(∫=Aとか置くやつ)ですが、変に思わせ振りな誘導(1)を意識し過ぎて軽く沼にはまった人とかいるかもです(はまりました(汗))。(1)は最後の積分計算の時に使います。計算量が多くて結構嫌です。(1)が出来ていなくてもそれを使えば(2)単独で解けますね。この現象、特に東北大は多い気がします(去年の4とか)。

 (2)は単独でも取るとして、(1)もまあ文句は付けましたが理詰めに考えれば自然に解ける理系の標準問題ですし、押さえたいっすわな。

 

6、確率(漸化式、直接数える)、誘導「結果の利用」、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 (1)は良いでしょう。これ出来なきゃ理系じゃないです。

 (2)は漸化式ではないので、流れが変わり戸惑ったかもです。1回取り出したのが何回目だったかってので、Σ計算に帰着ですね。

 (3)は(1)(2)のお陰で只の漸化式の計算問題です。まあ計算量がちょいちょいですが。

 (3)単独なら京大のやや難とかでもいけそうですが、誘導のお陰で自然に解けます。これは貰いでしょう。

 

 

 1,2,4,6はまともな理系生なら先ず取れるので、勝負は3,5でしょう。3は多分普通に解こうとしたら難しいので、5で差が付くと思います。4完でボーダーぎりぎり、5も取れれば上々って感じでしょうか。

2019東工大。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2019/3/2に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

難易度:やや難~難?

昨年比:同程度?

 

1、不等式の証明(一文字固定+微分or一文字について整理し平方完成)、誘導「結果の利用」、目標解答時間20分。

テクニックB

記述量B

発想力AB

総合難易度B

 (1)は、態々必要の無いh, s, tを置いているので、こちらで処理するのだと判ります。自分は初め「どうせ平方完成だろw」と思って式を弄ったのですが一向に出来ず、仕方無いのでhについて微分して解いたのですが、解答速報を見て「うわやられた…」ってなりました。hについて整理してから平方完成ですね。まあ出来れば何でも良いです。

 (2)は当然、(1)を各面に対し使うだけです。

 これは取りたいですね。

 

2、函数方程式(微分積分学の基本定理)、痴漢、絶対値付積分の取り扱い(場合分けして外す)、全称条件の取り扱い、目標解答時間30分。

テクニックC

記述量C

発想力B

総合難易度C

 テクニック、計算量共に重厚な函数方程式です。

 取り敢えず積分区間に1/xだのfの中にxだのが居るのがうざいので、xyを置換でしょう。代わりに絶対値内にxが出てきてしまいますが、こいつは定数扱いなので場合分けして絶対値を外せます。次に「(任意の)1≦x≦2で成り立つ」と言っているのですから(全称条件)、当然具体的な値の代入です。まあ1, 2なのも良いでしょう。しかしこれでも未だ情報が足りないのと、何より積分区間にxが居るときたら、まあ微分するのも良いでしょう。微分し、x=1, 2とし、また微分し、またx=1, 2とし、ってしていれば後は出来ます。

 一見すると物凄く怖い顔をしていて、殆ど解答の道筋が見えないですが、するべき事を1つずつ丁寧にしていけば自然に解ける、実に東工大らしい問題です。決して易しくはないですが、これも取りたいですねえ。

 

3、複素平面の変換、格子点、目標解答時間25分。

テクニックAB

記述量B

発想力BC

総合難易度B

 当然、zを(3+2i)zに変換し、それさえ出来れば後は極平凡な格子点の問題なのですが、こう云う1つの事を思い付けるか如何かだけで0点か満点かになってしまう様な問題は、1年間頑張った受験生が可哀想な事になりそうで個人的に凄く嫌いです。まあでも、東工大受験生でこれを思い付かない人は居ない気もします。

 

4、空間の分割の数え上げ、漸化式の応用、難問、目標解答時間俺は知らん。

テクニック?

記述量?

発想力D★?

総合難易度D★?

 もう本当にごめんなさい。こんな偉そうにブログとかしていますけど、これは完全にギブアップです。平面を直線で分割する時からの類推から、漸化式の応用だろうってのと、(2)以降は1ずつ減った分割を具体的に構成し最大性を議論するんだろうってのは判っていましたが、兎に角(1)が手も足も出ませんでした。解答速報を見て、只々「成程…」と言うより無かったです。本当なら何日か考えなきゃですが、セミナーの準備とかもあるし、時間でごり押せそうな感じでもなかったですし…

 捨て問だと思います。万が一、時間内に解けた受験生や高校生がいたら「高校数学も出来ないくせに数学科の博士行くとかw」と思ってくれて良いです。

 

5、不等式の証明(どんどん微分、グラフの単調性)、離散変数のMaxmin(比を取る)、誘導「結果の利用」、目標解答時間25分。

テクニックB

記述量B

発想力B

総合難易度B

 (1)は不等式の証明ですが、まあ微分でしょう。どんどん微分していくやつですが、f''>0となるのでf'はx→∞を調べる事になります。

 (2)は離散変数ってか数列のMaxminなので:

・連続変数化して函数処理;

・差を取る;

・比を取る、

辺りですが、まあ(1)の利用を見据え比でしょう。aの値がとても良心的で、計算量は少なく済みます。

 これは取りたいですね。

 

 

 4以外は難しくないです。1,5は絶対押さえ、2も易問ではないですが数Ⅲのパターン問題なので東工大受験生なら押さえるべきでしょう。3は初手全滅の恐れが在って怖いですが、それでも東工大受験生なら取らなきゃです。4以外の平均なら去年より易しいくらいだと思います。4はもう知りません。ごめんなさい。