予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス研究員の入試数学語り。

毒舌、下ネタ注意。※年々自信を失い、それに伴って毒もマイルドになってきています。

2017北大理系。

※本記事は、以前ヤフーブログ「予備校講師採用試験に2回落ちた九大チンカス院生の入試数学語り。」にて2017/3/2に掲載した同名の記事を、ヤフーブログサービス終了に伴い転載したものです。

 

 次は東北大のつもりでしたが、ちょっと1問解けない問題が有るので(大汗)、先に北大です。

難易度:極めて易

昨年比:極めて易化

 

1、不等式、誘導(結果の利用)、不等式の整数解(しらみ潰し)、目標解答時間10分。

テクニックAB

計算量A

発想力AB

総合難易度AB

 (1)自体は良いでしょう。

 (2)ですが、不等式の整数解は基本的に範囲を絞ってしらみ潰ししか無いと思います。その範囲を絞るヒントが(1)だったのですね。

 初学者に整数問題の手法としてしらみ潰しを教える際には、その例題として最適でしょう。勿論、北大受験生が解けないのは論外です。

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2、微積分、絶対値付積分、目標解答時間15分。

テクニックAB

計算量AB

発想力A

総合難易度AB

 数Ⅲの定期試験問題ですね。これも落とし様がありません。

 

3、外心、複素数平面での垂直二等分線、基本対称式と実解条件、目標解答時間20分。

テクニックB

計算量A

発想力B

総合難易度B

 (1)ですが、先ず外心の性質からOAとOBの垂直二等分線を式表示する必要があるでしょう。複素数平面での直線のパラメータ表示、良いですよね?ベクトルの時と同様、通る一点と傾きに注目します。後はPが2本の垂直二等分線、各々の上に在る事から条件の連立方程式が立ちますが、連立と言っても上手く文字が消えて、一方はαについてのみ、他方はβについてのみの条件となるので、別々に見てやれば良いだけです。ただ、北大の先生の親切心かも知れませんが、綺麗過ぎて逆に僕は初め「ん?」ってなりました(汗。同じ気持ちになった受験生、多いのではないでしょうか。

 (2)はzの実部虚部が(1)で置いたパラメータ2つの基本対称式になるので、例の実解条件です。まぁ知ってなきゃ無理な知識問題ですね。類題は2012京大理系2でしょう。

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※やべえ境界要らないっすねすいません。

 

4、確率、目標解答時間20分。

テクニックAB

計算量B

発想力A

総合難易度AB

 確率です。(3)だけ整数チックな考えを援用し、l+m+n≧10、m+n≦9、1≦l,m,n≦6みたいな整数不等式の問題を解く必要があるので、少々面倒です。が、手は動きますしこれも落とす方が難しいです。

 

5、円の方程式、点と直線の距離公式、目標解答時間15分。

テクニックA

計算量AB

発想力A

総合難易度A

 図形と方程式学習直後の定期試験問題。最後にして本セット最易問です。

 

 

 これは一体如何した事でしょう。地方旧帝どころか、地方国立大の水準にも満たないのでは。詰まり得るのは3だけです。昨年の難化で、余程受験生の出来が悪かったのでしょうか。しかし難化と言っても、やっと他の地方旧帝のレベルに追い付いたってだけだったのですが。北大生の学力の実情は知りませんが、でもこれでは流石に獣医や医学科では試験にならないでしょう。

 ただ、別に悪問と云う訳ではなく良質な易問が並んでいるだけなので、受験対策を本格的に始めた進学校の高校2年生向け確認テスト辺りには適当でしょう。